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【物流倉庫】不動産協会内に物流不動産の専門部会発足へ

2018.02.15

不動産事業者で構成する一般社団法人不動産協会(理事長=菰田正信・三井不動産社長)は2018年度に協会内に物流不動産の専門部会を立ち上げる方向で検討を進めている。物流不動産施設の開発を手掛ける事業者の発信力強化や共通課題への対応などを話し合う場とする狙い。すでに物流不動産最大手のプロロジス(本社・東京都千代田区、山田御酒社長)は1月1日付で同協会に新規加盟しており、今後も物流不動産事業者の加盟が相次ぐことになりそうだ。

アスクル倉庫火災事故を契機に団体設立を検討

物流不動産業者による施設開発は外資系デベロッパーを中心に2000年代初頭から本格化し、近年では国内不動産大手も進出、大規模物流施設の開発・供給が活発になっている。だが、業界全体を束ねる団体は存在せず、かねてからその必要性が指摘されていた。

そうした課題が顕在化したのが、昨年2月に埼玉県三芳町で発生したアスクルの倉庫火災事故。国土交通省と消防庁は事故発生直後に今後の防火対策のあり方などを議論する検討会を設置したが、その際、大規模物流施設を運営する物流不動産事業者の考え方などを集約・発信する団体がないことが課題として浮上した。また、国交省など行政側にとっても、カウンターパートとなる団体が必要との認識に至ったようだ。

こうした経緯もあり、業界の有力幹部らを中心に業界団体の設立に向けた検討が水面下で進んでいた。当初は新たな団体を立ち上げることも俎上にのぼったが、時間やコストがかかることから、不動産協会の内部組織として発足させる方向で固まったとみられる。

来年度に協会内に専門部会が発足へ

不動産協会は、不動産事業者で構成する最大の業界団体で、大手を中心に150社あまりの会員を擁する。三菱地所、三井不動産、大和ハウス工業など物流施設開発も手掛ける兼業大手はすでに会員となっている。

そこに新たな会員として加入したのがプロロジス。昨年11月の理事会で入会が承認され、今年1月1日付で正式に加盟した。物流不動産の専業大手が会員になったのは初めてだという。

今後は、まだ加盟していない専業大手の加入が加速する見通し。また、すでに会員となっている兼業も参加する形で、4月から始まる新年度に物流不動産の専門部会が発足することになりそうだ。
(2018年2月15日号)


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