F―LINE、「24年問題」克服へメーカーと連携強化
F―LINE(本社・東京都中央区、本山浩社長)は13日、食品メーカーと協働で食品物流の諸課題を検討するプラットフォーム「F―LINEプロジェクト」における第2期の活動の進捗について発表した。物流を3つの工程に分け、チームごとに課題解決を協議しており、ブロックトレインの往復運行の開始や共同輸配送の検討が進んでいる。同プロジェクトの活動を通じ、間近に迫った「2024年問題」を克服するため、今後もプロジェクト参加各社との連携を強化していく。
F―LINEプロジェクトは2015年に発足し、味の素、カゴメ、日清オイリオグループ、日清製粉ウェルナ、ハウス食品グループ本社、Mizkanが参加。PJ発足以降、F―LINEでは「持続可能な食品物流の構築」を目指し、参加メーカー6社と協働で長距離幹線輸送の再構築、北海道エリア、九州エリアでの共同配送、新会社・F―LINEの設立といった様々な取り組みを実施してきた。
「2024年問題」を前に第2期F―LINEプロジェクト活動を昨年春から開始。「前工程(中長距離輸送)」「中心工程(配送、配送拠点)」「後工程(製・配・販物流整流化)」をそれぞれ担当する3チームと「全行程横断」で標準化・効率化を推進する1チームの計4チーム編成で、課題解決に向けた協議を行っている。
既に「前工程」の担当チームでは22年5月から、味の素、ハウス食品による関東~関西間のブロックトレイン往復運行を開始し、CO2排出量68%削減を見込んでいる。また、幹線輸送複線化によるBCP対応強化策として、海上トレーラによる共同輸送も検討しており、22年12月には関東エリアから九州エリアへの輸送について、味の素、日清オイリオグループで共同輸送の本格稼働に向けトライアルを開始。23年1月には中部エリアから北海道エリアへの輸送について、日本海ルートでカゴメ、日清製粉ウェルナの共同輸送もスタート。太平洋ルートでもハウス食品、日清製粉ウェルナの共同輸送を検討している。
今後はPJ参加メーカー以外の荷主との連携も視野に準備を進めていく。また、「中心工程」担当チームは22年7月から中国エリアで味の素、ハウス食品の共同配送を開始。10月には東北エリアで味の素、ハウス食品、日清製粉ウェルナの共同保管・共同配送も開始しておりCO2の排出量もそれぞれ5%、12%削減する見込み。「後工程」担当チームでは、24年の改善基準告示の改正を前にドライバーの待機時間、附帯作業の改善へ向けた対応指針や作業効率化のための物流DX施策について、「全行程横断」で標準化を推進するチームは各種フォーマットの標準化についてそれぞれ協議を重ねている。
(2023年2月16日号)