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日食協、製配販3層で自主行動計画を策定

2023.11.28

日本加工食品卸協会(日食協、國分晃会長)は20日、物流の適正化・生産性向上に向けた自主行動計画を公表した。物流の適正化・生産性向上は、「1業種1企業だけの対応で成果をあげることは困難であり、発着荷主間の連携・協力があって達成されるもの」との前提に立ち、製配販3層で組織するフードサプライチェーン・サステナビリティプロジェクト(FSP会議)で策定された「加工食品業界製配販行動指針(FSP版)」をもって日食協の自主行動計画とした。業界団体単独ではなく、サプライチェーン関係者総意の自主行動計画を策定した新しいモデルとなる。

関係省庁による「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」に対応するための「加工食品業界製配販行動指針」(FSP版)として定めた。発着荷主共通の取り組み事項、発荷主、着荷主としての取り組み事項を整理。メーカー~卸、卸~小売といったサプライチェーンの各工程での取り組みを表にして示した。賞味期限の年月表示化、「2分の1ルール」の完全実施、EDIの推進など業界特性に応じた独自の取り組みも盛り込んだ。

発着荷主共通の取り組み事項では、実施が必要な事項として、「荷待ち時間・荷役作業等にかかる時間の把握」「荷待ち・荷役作業時間『2時間以内』ルール」「物流管理統括者の選定」「物流の改善提案と協力」「運送契約の書面化」「荷役作業等にかかる対価」「運賃と料金の別建て契約」「燃料サーチャージの導入・燃料費等の上昇分の価格への反映」「下請取引の適正化」「異常気象時等の運行の中止・中断等」を挙げた。

実施を推奨する事項では、「予約受付システムの導入」「パレット等の活用」「検品の効率化・検品水準の適正化」「物流システムや資機材(パレット等)の標準化」など10項目を盛り込んだ。製~配(卸)連携では、メーカー、卸の車両の相互活用を検討することや、共配荷主の配送条件(リードタイムや納品時間・曜日等)の調整を行うことを推奨。製~配~販全体として、納品環境の安全確認を行い、必要に応じて改善を行うことも規定した。

発荷主の実施必要事項では、「出荷に合わせた生産・荷造り等」と「運送を考慮した出荷予定時刻の設定」を挙げた。実施推奨事項では、出荷情報等を早期に(可能な限り出荷の前日以前に)提供することや、着荷主との商取引において、基準となる物流サービス水準を明確化し、サービスの内容に応じてコストを上下させる「メニュープライシング」等の取り組みを実施し、物流効率に配慮した発注を促すとしている。

着荷主の取り組みでは、輸送手段の選択肢を増やすために、納品リードタイムを十分に確保するとし、日内(朝納品の集中)・曜日・月波動の平準化や、適正量の在庫の保有・発注の大ロット化等を通じて発送を適正化。取引先がメニュープライシングを用意している場合はそれを活用する。着荷主が車両を手配し、巡回して集荷する方がより効率的となる場合は、発荷主と合意の上導入する。

なお、荷待ち時間・荷役作業削減については、さらに対応方針を明確にするため、日食協と食品物流未来推進会議(SBM会議)が取りまとめた「荷待ち・荷役作業削減に向けた加工食品業界の取組みガイドライン」の主旨に沿って行動するものとする。同ガイドラインでは、トラックドライバーの長時間の荷待ち削減に向けた対策例を示すとともに、納品先での荷降ろし時にトラックドライバーが行っている各種作業について範囲を明確化。ラベル貼りや棚入れなどは着荷主側の業務範囲であると規定した。
(2023年11月28日号)


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