日本通運、来年1月発足の新グループ体制を発表
日本通運(本社・東京都港区、齋藤充社長)は16日、来年1月4日付の持株会社「NIPPON EXPRESSホールディングス」(NXHD)発足に伴うグループ新体制の詳細を発表した。新会社NXHDは、グローバル事業本部、コーポレートマネジメント本部、リスクマネジメント本部、経営戦略本部の4本部体制となる。また、事業会社に移行する日本通運は、これまでの4部門を廃止するとともに、本部も現行の7本部から6本部に再編して簡素化。海外ブロックは、NXHDの直下に配置する。人事では、齋藤充社長がNXHDと事業会社・日本通運の社長を兼務し、最高経営責任者(CEO)を務める。
海外ブロックは持株会社NXHDが統括
NXHDは、持株会社の役割である経営戦略、コーポレートマネジメント、リスクマネジメントの各機能を担うとともに、グローバル事業本部を設け、グローバル事業に注力する戦略を体制面から明確に打ち出した。これに伴い、米州、欧州、東アジア、南アジア・オセアニアの各海外ブロックを持株会社が直轄する体制にした。グローバル事業本部は、グローバル営業統括部とグローバル事業統括部の2つの統括部を設ける。
このほか、経営戦略本部はグループ全体の経営戦略や財務戦略、内部統制、サステナビリティなどを担う。
コーポレートマネジメント本部は人財戦略、IT、コーポレートコミュニケーション機能などを担当。このうちコーポレートコミュニケーション部はブランド戦略や広報、社会貢献などの業務を所管する。
一方、事業会社となる日本通運は、ビジネスソリューション、日本事業、コーポレートソリューション、経営戦略の4部門が7つの本部を統轄する従来の体制から、4部門を廃止するとともに、7本部を6本部に再編し、体制を簡素化。新たな6本部は、グローバル営業戦略本部(既存)、グローバル事業戦略本部(新設)、専門輸送事業本部(新設)、ロジスティクス・ネットワーク事業本部(新設)、コーポレートソリューション本部(新設)、経営事業戦略本部(新設)となる。国内の各ブロック(北海道・東北、関東甲信越、中部、関西、中国・四国、九州)の体制に変更はない。
齋藤社長がCEOとしてグループをけん引
新体制の人事では、齋藤社長がNXHDと事業会社・日本通運の社長を兼務するとともに、CEO(最高経営責任者)としてグループをけん引する。渡邉健二会長は日本通運の会長を退任し、NXHDの代表取締役会長に就任。取締役会議議長としてグループガバナンスを担う。
NXHDの代表取締役副社長には堀切智副社長が就任し、コーポレートマネジメント本部とリスクマネジメント本部を担当。堀切氏は事業会社・日本通運の代表取締役副社長も継続する。また、副社長執行役員には近藤晃専務執行役員が昇格し、グローバル事業本部を担当。近藤氏は事業会社・日本通運の代表取締役副社長にも兼務で就任する。
事業会社・日本通運の役員人事では、中村栄一専務執行役員が代表取締役副社長に昇格。ロジスティクス・ネットワーク事業本部長に就くとともに、引き続き関東甲信越ブロックの地域総括を担当する。
石井孝明氏、秋田進氏の両代表取締役副社長は退任。秋田氏は1月4日付でNX商事(日通商事から社名変更)の代表取締役社長に就任する。この他、林田直也常勤監査役が退任し、グループのワンビシアーカイブズの代表取締役社長に就任する。
グループ会社も「NX」冠した社名に変更
来年1月から新グループブランド「NX」に移行することに伴い、事業会社・日本通運を除くグループ会社の社名も変更する。国内関係会社では43社が1月から「NX」を冠した社名に移行する。具体的には、日通商事が「NX商事」、日通総合研究所が「NX総合研究所」、日通キャピタルが「NXキャピタル」、日通不動産が「NX不動産」、日通トランスポートが「NXトランスポート」、日本海運が「NX海運」、日通・NPロジスティクスが「NX・NPロジスティクス」などに変更される。
また、海外関係会社も基本的に「NX」を冠した社名に統一していく。例えば、米国日通は日本語社名を「NXアメリカ」に、欧州日本通運は「NX欧州」にそれぞれ変更する。
※役員人事、組織体制の詳細は次号に掲載。
(20121年11月18日号)