全ト協、坂本会長が来年6月の総会での退任を発表
全日本トラック協会の坂本克己会長(写真右)、小林和男副会長(写真左)、寺岡洋一副会長(写真中央)は3日、熊本県で開催された「第29回全国トラック運送事業者大会」に先立ち、記者会見を開き、坂本会長(大阪運輸倉庫)が来年6月の通常総会をもって退任し、後任の会長に寺岡洋一副会長(由良陸運)を指名したことを報告した。
総務委員長を務める小林副会長(中越運送)がこれまでの経緯として、「今年6月の通常総会後の最初の正副会長会議が7月11日に開催され、坂本会長から『来年の6月の総会は役員の改選期にあたり、我々の業界にとってまさに正念場を迎える。自分はまだ気力も体力もあるのでもう1期頑張りたい。そして少し早いかもしれないが、あらかじめ副会長の皆さんから同意を得ておきたい』――という力強い言葉があった。即座に全員から拍手が起こり、『ぜひとも(会長職を)続けていただきたい』ということになっていた。それから2ヵ月が経ち、9月11日の正副会長会議で突然、坂本会長から、『体調が思わしくなく、かかりつけの医師から会長職は無理をして続けない方がいいとの説明があった。熟慮の末、誠に申し訳ないが、来年6月までの会長職としてほしい』との話があった。我々副会長としても、あまりの突然のことで返答に困ったが、体調のことでもあるため、『了解しました』と言う以外になかった」と説明した。
さらに、「副会長の総意として2つのことを申し上げた。ひとつは、坂本会長ほどの人であれば、お辞めになるにあたって、ご自身の後継者にふさわしい意中の人がいるはずであり、我々としてはその人を指名していただき、後任の会長として盛り立てていきたいということ。もうひとつは、坂本会長は会長職を離れても、その後の体調と相談しながら大所高所からアドバイスをいただけるように、全ト協の中でしかるべき役職にとどまってほしい、と。この2つのことを申し上げた。そして、9月18日の正副会長会議で坂本会長から正式に次期会長予定候補者として寺岡洋一氏の名前が出され、即座に満場一致で賛同した」と述べ、副会長の一致団結により寺岡氏をサポートしていく姿勢を示した。
次期会長の指名を受けた寺岡副会長は「坂本会長とは親子関係が成立するくらいの年の差がある。本来、こうした場では私の思いや抱負を述べるところだが、あまりに急なことで何も考えられていない。突然、9月11日に会長に呼ばれ、ご自身の体調が思わしくなく、『任期までは頑張るが、その後は会長を代わってもらえないか、頼むぞ』というお話があった。即座に『無理です』と答え、『副会長の皆さんの中には私よりも経験豊富で能力も高い方もいる』とかなり抵抗した。最終的には18日の正副会長会議にゆだねたが、坂本会長から19日の朝いちばんに電話があり、『満場一致で決まったのだから、とにかく頼む』と言われ、『わかりました』という返事をせざるをえなかった。偉大な人の後任として、究極のボランティアにチャレンジする決意をした。これからしっかり勉強しながら来年の総会時には、自分の思いや抱負を自分の言葉で発表できるように努力したい」と語った。
坂本会長は寺岡氏の次期会長指名が満場一致で決まったことを改めて報告し、業界全体が期待しているとのエールを送った。
(2024年10月8日号)