メニュー

【ズームアップ】日本通運が博多港に国際物流拠点新設

2024.05.07

日本通運(本社・東京都千代田区、竹添進二郎社長)は3月11日、「博多港アイランドシティコンテナターミナル」の隣接地に新倉庫「NX博多アイランドシティグローバルロジスティクスセンター」(NX博多アイランドシティGLC、福岡市東区)の稼働を開始した。今後は半導体製造装置や大型・重量貨物など特殊貨物の梱包・保管・出荷に対応した国際物流拠点として活用していく。

近年、九州地域では半導体製造装置メーカーや精密機械・ロボットメーカーなどの工場開設が進み、物流需要が高まっている。一方、機器・装置の大型化や重量化が進んできたことに対し、九州地域では対応可能な梱包施設や大型クレーンを備えた倉庫施設が不足していたことから、九州で生産した大型装置を神戸港や名古屋港へ国内転送(横持ち)し、輸出するケースも増えていた。そのため、九州地域から神戸港・名古屋港までの輸送コストやダメージリスクが課題となっていた。こうした課題に対応するため、日本通運は博多湾の人工島「福岡アイランドシティ(福岡市東区)」に立地する「博多港アイランドシティコンテナターミナル」の隣接地に新倉庫の建設を決定。今年3月に竣工した。

〝横持ち〟のための時間・コストを節減

NX博多アイランドシティGLC(写真)は延床面積1万755㎡、倉庫設備は鉄骨造・平屋建て。荷捌き・保管を行う倉庫エリアと梱包作業を行う梱包エリアに分かれ、倉庫エリアは5467㎡、梱包エリアは4680㎡。事務所棟は鉄骨造の3階建て。梱包エリアはNXグループのNX商事(本社・東京都港区、秋田進社長)が運営する。

福岡海運支店次長の四元利憲氏は「新センターを開設したことで、大型の半導体製造装置や工作機械の輸出用梱包を行えるようになり、博多港から輸出できるようになった。阪神港など他の港に横持ちする必要がなくなり、輸送のためのコストと時間を削減することが可能となった。梱包作業は倉庫エリアとつながったエリアで行うため、複数回の積み替えによるダメージリスクを回避できる」と利点を挙げる。

九州地域最大の40tクレーンを設備

倉庫エリアには16mの庇付きの全天候型の低床荷捌きスペースや、海上コンテナへの積載にも対応した横幅44mの高床プラットホームを設備。プラットホームには4基のドックレベラーを設置するとともに、15mの庇を設置し、雨天時などの荷役に対応可能。

梱包エリアには12mの庇を備えた低床エリアが各種車両での搬出入に対応可能。荷役機器はクレーン5基(40t1基、10t1基、5t2基、2・8t1基)と10tリフター2基を設備。このうち40t天井クレーンは九州地域では最大級で相当の重量物を取り扱える能力がある。床荷重は3t/㎡と重量物対応とした。また、梱包エリアは作業用空調を完備し、セキュリティ面では防犯カメラによる機械警備システムを導入している。

施設屋上には太陽光パネルを設置し、施設内で使用する電力の5割以上を発電するなど環境負荷低減にも配慮する。

福岡海運支店総務課長の髙木亮氏は「当センターの目の前にコンテナターミナルがあり、貨物をすぐに輸出できる立地にある。お客様にとっては時間・コストの双方でメリットがあるため、既存のお客様のみならず、新規での引き合いが増えてきている」と述べる。また、5月からは保税蔵置場の承認を得て、顧客により多様なサービスを提供できるようになることを明かした。

21年3月には香椎浜出入口付近とアイランドシティ(東区)を結ぶ「福岡高速6号線(アイランドシティ線)」が開通したため、博多港アイランドシティコンテナターミナルはより一層利便性が高まった。四元氏は「新センターを活用することで、お客様に高品質なサービスを提供するとともに、博多港の貨物取扱量の拡大にも寄与していく」と意欲を語る。
(2024年5月7日号)


関連記事一覧