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生産性革命「貫徹の年」に=石井国交大臣・新春会見

2019.01.08

石井啓一国土交通大臣は専門紙記者との会見を開き、国交省の新年の取り組みについて語った。国交省が省を挙げて取り組む「生産性革命」について2019年は「貫徹の年」だと位置づけ、これまでの取り組みをさらに強力に推し進めていくと表明した。石井大臣は、「国交省が掲げる生産性革命は16年にスタートし、同年を「元年」と位置づけた。翌17年は「前進の年」、18年は「深化の年」をスローガンにして取り組みを加速してきたが、これまでの3年間を踏まえ、4年目の今年は「貫徹の年」と名付けた。取り組み内容の一層の高度化とさらなる充実を図っていきたい」と意欲を語った。

改正事業法、業界の意見を聞きながら対応を進める

12月8日に成立した貨物自動車運送事業法の改正について、「トラックドライバー不足により物流が滞ることがないよう、ドライバーの労働条件の改善を図る観点から改正の検討が始まったと理解している」と述べ、改正内容について、参入規制の適正化をはじめ、事業者が遵守すべき事項の明確化や荷主対策の深度化、標準的な運賃の告示制度の導入が盛り込まれたとし、「国交省としてもドライバーの労働環境改善により担い手を確保し、働き方改革を進めている。今般の改正は働き方改革の一層の後押しになる」と法改正の意義に賛意を示した。その上で、石井大臣は「必要となる省令や通達の発出にあたっては、改正法の趣旨に沿ったものとなるよう、業界の意見も聞きながら適切に検討していく」と表明した。

外国人労働者受け入れは業界の議論を注視

出入国管理及び難民認定法(入管法)改正に関連しては、「この法案の趣旨は即戦力となる外国人労働者を受け入れるための新たな在留資格を創設するもの。国交省所管分野では自動車整備業において、19年度から新たな受け入れをすべく準備を進めている」と説明。その上で「受け入れを認めるには、生産性向上や新たな国内人材確保ための取り組みを行った上で、なお人手不足であることが前提となる。整備業界には、こうした取り組みをきちんと行ってもらわなくてはならない」と業界の努力を促した。また、石井大臣は「トラック、バス、タクシーの運転者については、人手不足の状況ではあるが、現在のところ、業界全体としてのコンセンサスが得られていないため、新制度としての受け入れ業種には定めていない」と明言。今後の業界における議論を引き続き注視するとともに、国交省としても必要なアドバイスを行っていく考えを示した。

20年メドに自動運転の隊列走行の実現を

自動運転に関しては20年度をメドに新東名高速道路において、先頭車両のみが有人で、後続車両が無人自動運転となるトラック隊列走行を実用化するとともに、20年までに高齢化が進む中山間地域で人流と物流を確保するための自動運転サービスの具体化を図る取り組みを推進するとした。トラック隊列走行については「現在4車線で供用している新東名を6車線とする。加えて、隊列走行などに対応した安全な走行空間や中継の物流拠点などを整備するなど、物流システムに対応した高速道路インフラ整備に向けた具体的検討を行っていく」と表明。「目標となる20年に向け、関係省庁や民間事業者との連携をさらに深めて、安全確保を最優先としつつ、高度な自動運転の実現を図る」と述べた。
(2019年1月8日号)


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