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「小倉イズムに戻らなくては」=ヤマトHD・瀬戸相談役

2018.09.20

「小倉昌男さんが亡くなってもう13年が経つが、だんだん、小倉イズムが薄れているような感じがしている。小倉イズムにもう一度戻らなくてはいけない」――12日のヤマト運輸労働組合定期中央大会で檀上に立った、ヤマトホールディングスの瀬戸薫相談役(写真)は、会場の組合員らに、こう呼びかけた。ヤマト福祉財団の理事長として出席し、ヤマト労組から寄付金の贈呈を受けた挨拶の場で、グループのヤマトホームコンビニエンスによる引越料金の水増し請求について触れたもの。

瀬戸氏はまず、「ホームコンビニエンスの事件では皆さんに、針のむしろに座っているような思いをさせている。一旦落ちた評判を戻すのは非常に大変だが、何とかして元通りに、そして元よりもよくしていかなくてはならず、それが我々の使命。そのためには、やはり第一線の方々が一生懸命、名誉挽回に向けてやっていただかないと元には戻らない」と協力を求めた。

「じゃあ、具体的どうすればいいのか」として挙げたのが、小倉イズムへの回帰だ。瀬戸氏は「小倉イズムの一番の肝は『サービスが第一』ということ。お客さんが困っていること、要望していることを我々がやり、地域の住民の迷惑にならないようにきちんとしていきましょう、というのが小倉イズムの基本」と説明。その上で、「利益を先に考えると悪いことが出てきてしまったりするが、お客さんのためによいことをする、サービスをよくすることが原点であり『利益は後からついてくる』と小倉さんが言う通り、利益の源泉でもある」と説いた。

また、論語の『苟(いやしく)も仁に志せば、悪無きなり』との言葉を用いて、「世のため人のために尽くす人に悪い人はいない、という意味で、小倉さんの『サービス第一』と同じ精神構造といえる。相手のためにすることは悪いことにはならず、よいことに繋がる。もう一度、『ヤマトはいい会社だ』と言われるようにしていただきたいと思い、最後に一言、言わせていただいた」と述べて、挨拶を締めくくった。
(2018年9月20日号)


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