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〝クロネコ貨物機〟公開、24年4月運航開始=ヤマト/JAL

2023.11.28

ヤマトグループと日本航空(JAL)グループは20日、成田空港内のJAL格納庫で、ヤマトが導入する貨物専用機(フレイター)をメディアに公開した。公開したのは初号機で、同日からプルービングフライト(訓練飛行)を開始。今後、2号機、3号機も順次、日本に到着して運航開始に備える。

2024年4月11日から運航を開始する。まずは成田~新千歳、成田~北九州、成田→那覇、那覇→北九州の4路線・1日9便でスタート。さらに今夏をメドに羽田~新千歳、羽田~北九州の2路線を追加し1日13便に拡大し、最終的には1日21便の運航体制を確立する。

「2024年問題」により、長距離幹線輸送を中心に「運べない危機」が懸念されるなか、トラック、鉄道、フェリーなどの従来の輸送手段にフレイターを加えることで、安定的な輸送力確保を図る。また、自然災害が頻発する中で、災害の影響を受けにくい自前の空路を確保することでネットワークを強靱化する。

搭載貨物は宅急便など小口貨物が中心となるが、地方で収穫された生鮮品やスピード輸送を求められる工業製品などの輸送ニーズにも対応していく。とくに羽田発着便は深夜早朝の時間帯を有効活用することで、航空が持つ迅速性というメリットを最大限に活かした活用を見据える。

フレイターはエアバスA321‐200P2F型機で、旅客機から貨物専用機に改修。芙蓉総合リースからヤマト運輸がリースする形で導入した。最大搭載重量は28tで、ヤマトの場合、10t車5~6台分の貨物に相当するという。同じ小型機であるB737‐800型機と比べ、貨物を約2割多く搭載可能で、上部と下部の貨物室合計で24コンテナを搭載することができる。

JALは機体整備やランプハンドリングなどを手掛け、運航はJALと中国の春秋航空が共同出資するLCCのスプリング・ジャパンが担当する。
当日の披露式でヤマトホールディングスの長尾裕社長は、フレイター事業について「2018年から初期的な検討を開始し、19年からの本格的な着手を経て、ようやく実現の運びとなった。ヤマトグループでは現在、さらなる成長を図るために陸のネットワークで様々な取り組みを進めており、そこにフレイターという新たな輸送手段が加わる。(JALやスプリング・ジャパンとの)チームワークでビジネスをより良いものにしていきたい」と意気込みを述べた。

JALの斎藤祐二専務執行役員は「JALグループの貨物事業のさらなる成長にチャレンジできる良い機会だと考えている。持続的かつ高品質な物流ネットワークの構築にしっかり貢献していきたい」と意気込みを示した。また、スプリング・ジャパンの米澤章社長は「LCCが貨物機を運航するのは日本で初めてであり、私たちにとっても大きな挑戦だが、社会にとって非常に意義のある事業であり、しっかりと担当していきたい」と述べた。
(2023年11月28日号)


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