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加食は受発注条件の見直しを=国交省/品目別懇談会

2019.04.02

国土交通省は3月25日、第3回「加工食品の物流おける生産性向上及びトラックドライバーの労働時間改善に関する懇談会」(座長=矢野裕児・流通経済大学教授)を開催した。会議ではドライバーの長時間労働是正を目指す「ホワイト物流」推進運動とも連携しながら実証実験の実施やガイドライン策定を図っていくことを決めた。今後の検討課題として、リードタイムの延長や事前出荷情報(ANS)の提供や波動の平準化など受発注条件の見直しをはじめ、需給調整のための在庫の確保、卸と小売りの連携強化を議論する。また、予約制の活用による荷待ち時間削減、パレット化や外装段ボールのサイズ見直しによる荷役時間の短縮を図る。

そのほか、商習慣に関わる3分の1ルールの見直しの徹底や年月日表記から年月表記への変更、ANSの提供とQRコード情報の組み込み、統一伝票や段ボール箱への表記の標準化を促進していく考え。今年度は3回程度の会合を開く予定。

改善にはコストメリットを示すことが重要

意見交換では、製配販のサプライチェーン全体の視点から効率化を図るべきとの意見が出た一方、「発荷主・着荷主の連携の観点から発荷主側の効率化の取り組みに加え、着荷主の小売り側でも一定のコスト負担が必要」「経営トップにコストメリットを示さなければ物流改善や商習慣の見直しは困難だ」「運べなくなる危機を関係者全員が共有すべき」などの指摘があった。

そのほか、キユーピーと味の素が効率化に向けたリードタイム延長の取り組み状況を発表。キユーピーは2018年の夏期と年末の繁忙期に実施した翌々日納品の概要を説明。また、19年にはゴールデンウィーク期(4月27日から5月7日配送まで)、8月繁忙期、9月消費増税前、12月繁忙期の各時期で翌々日納品を実施するとともに、ASNの活用や運用方法の改善による検品の簡便化方策について19年度内に部分的導入を開始するため検討を始めたと報告した。

味の素はチルド品など一部商品を除いてGW期間の前後4月15日から5月7日までの受注分を翌々日納品にするとともに、8月1日以降の受注分からはリードタイムを+1日とする取り組みを説明した。

建設資材での改善検討も進む

国土交通省は3月27日、「建設資材物流における生産性向上及びトラックドライバーの労働時間改善に関する懇談会」(座長=矢野裕児・流通経済大学教授)を開催した。建設資材は多岐にわたるため、今回から品目に即して「戸建て等分科会」と「集合住宅・事業用不動産等分科会」に分けて検討を進めることにした。会議では、メーカー・卸・建設業、運送業を対象としたアンケート調査の実施状況などが報告されたほか、戸建て等分科会では3PL企業のナイスによる取り組み状況が紹介された。

今後は調査結果の分析や関係者への聞き取りなどを通じ、荷待ち時間の発生状況を把握し、検討課題を洗い出すこととした。19年度内には改善に向けた方針を定め、業界への周知を図っていく。
(2019年4月2日号)


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