【物流会社】日本通運が新「企業メッセージ」を制定
日本通運(本社・東京都港区、齋藤充社長)は10月1日に創立80周年を迎える記念事業として、新企業メッセージ「We Find the Way」を制定した。9月29日、本社で会見を開き、発表した。併せて、同社伊豆研修センターのリニューアルと日本赤十字社への献血バスの寄贈を実施するとした。
「We Find the Way」に込めた強い思い
会見に出席した竹津久雄副社長は、企業メッセージについて「『We Find the Way』と定めた。この言葉には、物流業務を通じ、新しい未来を創造するお客様の思いを実現するために、どんな時でもあらゆる手段を尽くして最善の方法(the Way)を見つけ出し、必ずやり遂げるという強い意志と自信を込めた」と説明。新メッセージ制定の背景として、「当社グループは物流というサービス業を中心に行う事業者であり、目に見える製品をもたないため、従業員一人ひとりの日々の行動や意識の積み重ねが日本通運らしさを作り上げることになる。こうした当社固有の提供価値である“日通ブランド”を端的に表す言葉を企業メッセージとした」とし、「メッセージを社内外に浸透させることで、従業員各自が当社の提供価値について考え、理解し、その結果、日々の行動の変化にもつながるように働きかける取り組みを行っていく」と表明した。
新メッセージは、2年前から制定に向け、従業員アンケートとグループ会社の経営者や有識者からの意見を集約し、まとまった。
竹津副社長は、「2004年に策定した企業メッセージ『With Your Life』は、社外向けのコマーシャル的な性質が強かったが、今回の『We Find the Way』は、社外へのアピールとともに従業員向けの意味合いも強くした。一人ひとりが“日通ブランド”を自覚し、作り上げていくことで、社会発展に貢献する原動力としたい」と意欲を述べた。
“技能向上の象徴”研修センターをリニューアル
伊豆研修センターのリニューアルについて、竹津副社長は「同センターは技能教育の中核であり、グループを含め、毎年多くの従業員が安全・品質に関する技能を磨いている。当社の『安全・品質』に関わる技能向上のための象徴的施設だ」と述べ、「技能の承継と新たな知恵や技術の創出を通じ、日通グループ従業員の誇りの源泉となるべき場として必要不可欠なものであり、創立80周年を機会にリニューアルする」と説明。
また、今回のリニューアルにより同センターの名称を、日本通運グループ伊豆研修センター「NEX‐TEC 伊豆」とするとした。「NEX‐TEC」はNIPPON EXPRESS Training & Education Center の頭文字。
今月、地鎮祭を行った後、調整池造成工事を着工。2019年7月に宿泊棟・浴室棟を竣工、20年9月に研修棟を竣工、21年11月に第二整備棟を竣工する予定。研修棟と宿泊棟は建替え、浴室棟と第二整備棟は新設する。
伊豆研修センターは00年4月に開設。以来、毎年3000人の技能系研修や新人研修を行う場として活用されている。同社では、着工後も従来通り研修・教育活動の場として利用しながらリニューアル工事を同時に進めていく。
重機・引越しなど実践に即した研修も可能に
同センターは敷地面積9万8324㎡。研修棟は鉄骨造・地上2階・地下1階建て。床面積は3511㎡。1階は大食堂、事務室、応接室から成り、2階には210席の大研修室と談話室がある。地下1階には書庫、資機材庫を設けた。
宿泊棟は、鉄筋コンクリート造・地上3階・地下1階建て。宿泊室として2人部屋62室、ユニットバス付1人部屋36室を設け、最大160人が泊まれる。浴室棟は、鉄筋コンクリート造・地下2階建て。
さらに、重機や引越しの研修を行える施設として第二整備棟を新設。1階に重機他研修フロア(天井クレーン付)と資材置場を設け、2階に小研修室(5室)、引越訓練スペースを設置するなど、実践により即した研修を行える。
人材のダイバーシティに配慮し、ムスリム系従業員のためのプレイヤールーム(祈りの間)も設置する。加えて、十分な耐震性能や非常用発電装置をはじめ、太陽光発電設備や全館をLED照明とするなど、災害に強く、CO2排出を抑制した環境配慮型施設とする。
献血バス寄贈で「最も身近なボランティア活動」を後押し
献血バス(移動献血車)は、日赤の東京都、愛知県、大阪府の各血液センターへ、それぞれ1台、合計3台を寄贈される。
竹津副社長は「寄贈を通じ、当社がこれまで物流を通じて社会の発展を支えてきた姿勢を示すとともに、社会貢献活動として最も身近なボランティア活動である献血を少しでも後押しすることを考えた」と説明し、「これまで本社内で献血活動を実施するなど、日本赤十字社との協力関係があるため、今回の寄贈につながった」と説明した。
(2017年10月5日号)