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運輸労連、「全国単組労使懇談会」を開催

2024.04.18

全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連、成田幸隆中央執行委員長)は12日、第2回「全国単組労使懇談会」を都内のホテルで開催した。物流をとりまく様々な課題に対し、労組・企業が意見交換を通じて対策につなげることを目的として開催した。昨年4月の初開催に続き今回が2回目となる。全国単組11組合と運輸労連本部の代表者や11社の経営トップが参加した。

全国単組からは、全日通労組・竹田好孝中央副執行委員長、ヤマト運輸労組・森下明利中央執行委員長、トナミ運輸労組・金作大輔中央執行委員長、JPロジスティクス労組・前中一起中央執行委員長、名鉄運輸労組・森辰也中央執行委員長、全新潟運輸労組・丸山敏明中央執行委員長、丸全昭和運輸労組・轡田光一中央執行委員長、ロジスティード労組・松江知也中央執行委員長、愛知陸運労組・榑林勉執行委員長、三菱電機ロジスティクス労組・塚原直樹中央執行委員長、エスラインギフ労組・子安宗俊執行委員長が出席。運輸労連中央本部からは、成田委員長をはじめ世永正伸中央副執行委員長、福本明彦中央副執行委員長ら幹部が参加した。

企業側からは、日本通運・竹添進二郎社長ほか2人、ヤマト運輸・長尾裕社長ほか1人、トナミ運輸・髙田和夫社長ほか1人、JPロジスティクス・長谷川実社長ほか2人、名鉄運輸・吉川拓雄社長ほか1人、新潟運輸・佐藤修常務取締役ほか1人、丸全昭和運輸・岡田廣次社長ほか1人、ロジスティード・西川和宏副社長兼ロジスティードジャパンカンパニー社長、愛知陸運・今村正博常務取締役ほか1人、三菱電機ロジスティクス・四方壽一社長、エスラインギフ・堀江繁幸社長ほか1人が参加した。

賃金の基本構成を変えて基本給の引き上げを

開会にあたり挨拶に立った成田委員長は「昨年の春闘では、賃上げは単純平均で4335円となり、27年ぶりに4000円台となった。現在のところ今年度は単純平均で5000円台と昨年水準を上回っている。交渉が終わっていない労組もあるが、これまでの労使間の真摯な交渉に感謝する。一方、2日現在の連合の賃上げ平均は1万6000円超、賃上げ率は5・24%となっており、運輸産業はその水準には届いていない。また、現状では労務費の転嫁も十分に進んでいない。2024年はトラック業界が抱える問題解決をスタートする年であり、来年度以降も継続的な賃上げが必要だ」と述べた。また「2024年問題」はドライバーの労働環境改善が最優先課題になるとの認識を示したうえで「時間外労働が削減されて手当てが減少し、総収入が減ることは現場の組合員の理解を得られない。これまで労働時間の長さで総収入がつくり上げられてきたが、今後は固定部分・基本給を引き上げ、賃金の基本構成を変えていくことが必要だ。そのためには原資となる運賃の引き上げが不可欠であり、荷主に対しては適正な運賃収受を求めていただきたい」と要請した。

続いてヤマト運輸社長の長尾裕氏が「ドライバーの労働時間短縮や長時間の荷待ちなど商慣行の見直しを進めつつ、顧客に提供する付加価値の向上を図ることで、適切なサービス対価をいただき、好循環をもたらすことが重要だ」と業界の課題を示した。また、年初に発生した能登半島地震により「安定的・継続的な事業継続の重要性が再認識された。物流の持つ社会的責任の観点から、安定的・継続的に業界を強くしていくことや、地球温暖化ガスの削減をはじめとする環境への対応も必要となる。個社を超えて業界全体でこれらの取り組みを推進しよう」と訴えた。

その後、落語家の蝶花楼桃花氏が「努力は夢を叶えてくれる」をテーマに記念講演を行った。講演終了後は会場を移して懇親会を開き、意見交換を行った。
(2024年4月18日号)


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