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成田空港、輸入貨物搬出にバース予約システム導入へ

2024.04.16

成田国際空港(NAA、本社・千葉県成田市、田村明比古社長)は10日、成田空港貨物地区での輸入貨物の引き渡しにおけるトラックの長時間待機解消に向けた「2024年問題対策協議会」の第2回会合を貨物管理ビルで開催した。2月に行われた初会合に引き続き、同空港で物流業務にあたるフォワーダーや運送事業者、通関事業者、上屋事業者などが委員として参加。バース予約システムを活用した「貨物引き渡しの予約制」の導入に向けて議論が行われた。5月に開催予定の第3回会合でさらに具体的な内容を固める予定にある。

2月の初会合では、長時間待機の原因や課題点を抽出した。貨物の引き取りが夕方に集中する理由としてフォワーダーからは「着荷主の倉庫・工場の工程上、翌日午前中の納品が多い」、運送事業者からは「他の仕事もあり夕方にならないとトラックが空車にならない」「日中は渋滞などもあって稼働率が悪く、効率性を高めるためにも夕方に荷物を引き取っている」などの意見が挙がった。また、トラックの長時間待機の理由として、運送事業者の場合は、通関許可の時間が不明なことからドライバーへの指示が遅れ、ドライバーが何時に引き取り可能かわからないまま空港に向かっているケースが発生していると指摘。また、上屋事業者の場合は貨物を搬出したものの、すぐに引き取られずにトラックヤードに滞貨することも多く、その後の引き渡し作業に支障をきたしているケースもあるという。

バース予約システム導入で待機時間を〝見える化〟

第2回会合では、初会合での委員からの意見をもとに、改善の方向性を検討。貨物の引き取りの休日や午前、日中帯への分散については、荷主の意向や運送事業者の事業形態から短期的には難しいとしたうえで、協議会事務局は協議会内で対応できる短期的な改善策のひとつとして「貨物引き渡しの予約制」の導入を提案し、協議会で合意が得られた。フォワーダーが荷主から出された通関許可や搬出指示情報を運送事業者に連絡後、運送事業者が上屋事業者に対し引き取り予約を連絡し、上屋事業者が予約情報に基づいて搬出や引渡しを行う――というスキームを運用する。

具体的には、輸出貨物の搬入を対象に北部貨物地区で活用しているバース予約システム「トラックドックマネジメントシステム」と同様のシステムを輸入貨物の搬出でも導入する。導入にあたって、上屋の業務処理能力に限りがあることから、1時間あたりの予約受付数に上限を設ける「スロット」制の導入が必要だとしたほか、予約できるタイミングなども検討を進める。また、上屋事業者などがすでに導入している各システムとの連携も視野に、ドライバーの利便性を考慮した設計を採用する。

協議会の会長を務めるNAA執行役員営業部門貨物営業部の宇野茂部長は「ドライバーに待ち時間などが〝見える化〟されてないことが最大の問題であるとして、『トラックドックマネジメントシステム』の導入を提案した。今会合では見える化の重要性や早期導入の必要性が共有できたため、次回の会合では導入に向けて時期や運用方法を固めていく予定だ」と述べた。

また、中長期的な対応となる荷主への午後帯や翌々日の納品要請については、どのようなルートで誰に要請するのが効果的であるかを検討する必要があるとしたうえで、「荷主にも企業から個人まで様々なケースがあり、急ぎの荷主とそうでない荷主の区別をどのようにつけるのか、翌々日納品を認めてくれる荷主がどれだけいるのかなどを考慮しつつ、荷主の理解をどれだけ得られるかが重要となる」(宇野氏)と語った。
(2024年4月16日号)


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