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荷主規制法案を来年の国会に提出=経産省/国交省/農水省

2023.06.22

経済産業省、国土交通省、農林水産省は16日、「持続可能な物流の実現に向けた検討会」の最終会合を開催し、最終提言をとりまとめた。今後、各省は物流改善を具体化するため、提言に基づき2024年度の予算要求を行い、施策の実現を図っていく。同検討会が今年2月に公表した中間とりまとめは、発荷主・着荷主・元請事業者への規制的措置を制度化するよう提言していたが、最終提言でもその方向は変わらなかった。規制的措置の詳細については関係省庁間で議論した上で、来年の通常国会に法案を提出する。これまで法令による規制がほとんど及んでいなかった着荷主に対しても、所管省庁による物流改善の働きかけや改善要請、勧告や企業名公表などの措置が行えるようになる。

「トラックGメン」が荷主を監視できるように

今月14日に可決・成立した貨物自動車運送事業法改正案では「標準的な運賃の告示」制度や「荷主対策の深度化」について当分の間延長すると決定。「標準的な運賃」の周知・浸透や適正な取引を阻害する疑いのある荷主・元請に対する働きかけなどに引き続き取り組むとした。また、これらの制度を実効性あるものとするため「トラックGメン(仮称)」を設置し、監視体制を強化する。トラックGメン制度の詳細は今後議論していくが、国交省で10月から発足する「物流・自動車局」の傘下に置かれる。

ダイナミックプライシング導入も視野に

商慣行の改善も重要テーマに定め、物流サービスの内容に応じて価格を変動させる「メニュープライシング」や「ダイナミックプライシング」など、商取引における物流コストの見える化を促進する施策を推進することを提言した。

運送業界の多重下請構造の改善策として、建設業法を参考にしつつ、荷主や元請事業者が実運送事業者を把握できるようにするため、下請事業者のリストした運送体制台帳の作成を義務付ける方向を示した。
(2023年6月22日号)


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