日本郵便、今期ゆうパック運賃を値上げへ
日本郵便(本社・東京都千代田区、衣川和秀社長)は3月31日付で、総務大臣から令和5年度(2023年度)の事業計画について認可を受けた。事業計画では、安定的かつ高品質な物流サービスを展開するために、ゆうパック運賃の改定が必要だと言及。宅配大手ではすでにヤマト運輸と佐川急便が値上げを実施しているが、日本郵便も今期中に届出運賃を改定して値上げに踏み切る方針を示した。
事業計画では、郵便物の減少傾向が継続する中、成長分野である荷物分野へのリソースシフトを進めていくとした上で、業務量に応じたコストコントロールの深度化やDX推進による生産性向上を図っていくとした。その上で、燃料価格をはじめとする物価や人件費などのコスト上昇が経営に大きな影響を与えているとして、「将来にわたって安定的かつ高品質な物流サービスを展開していくためには、ゆうパック運賃の改定が必要」だとして、「令和5年度においては、持続的な成長に向けた届出運賃の改定等を行う」と表明した。
このほか物流事業では、ロジスティクス部門を強化していくことを表明。営業倉庫を活用した物流ソリューション拡大や企業間物流の強化などにより、収益の拡大を図るとしている。
なお、日本郵便の23年度の収支予算は、営業収益が2兆8112億円、営業利益が75億円、経常利益が117億円、当期純利益が84億円の計画。
(2023年4月6日号)