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キリンGロジ、「運びきる」ため集車・配車力を強化

2023.02.14

キリングループロジスティクス(本社・東京都中野区、安藤弘之社長)は8日、2023年事業計画説明会を本社で開催し、輸配送能力の維持・向上とグループの拠点ネットワークの最適化によりトラックドライバーの労働時間規制厳格化による「2024年問題」への対応を図る考えを示した。出席した安藤社長(写真)は「『運びきる』ための体制を強化する。具体的には、①協力会社の選定・確保②安定的な配車体制や業務プロセス・システムの再構築③輸送力の向上に向けた各種施策の実行――などに取り組むとともに、適切な拠点ネットワークの整備を進める」と説明。なお、22年12月期の売上高は737億円となり、前年の売上高736億円と同水準だった。

「2024年問題」対応プロジェクトを推進

「2024年問題」に対応するため社内にプロジェクトチームを立ち上げ、輸送力の安定的確保に注力している。重点的には長距離輸送の削減や待機時間解消に取り組む。コンプライアンスを遵守しながら輸送力を確保するため、鉄道モーダルシフトを徐々に増やすとともに、全国の拠点を活用した中継輸送を実施する考え。また、グループ内での横持ちを削減し、ドライバーの省力化につなげる。

発地・着地での待機時間や荷役作業を減らすことも重要。自社拠点での待機時間削減は一定程度進捗しており、今後は事業会社と連携しながら納品先での待機時間削減に向けて理解と協力を求めていく。配車システムの機能向上や業務工程の一部自動化、配車担当者のスキルアップを図るマニュアル作成などによる配車計画の効率化も進める。

実輸送の大勢を担う輸送協力会社との関係緊密化が重要な課題と認識。長時間待機の削減や配車の効率化を進めることで運行の回転率を上げ、キリングループの輸送業務の魅力を高めることで「集車力」の向上に努める。

受注後翌々日納品「D+2」の実施をさらに拡大し、ムリ・ムダのない集車・配車を行うとともに、物流センターでの夜間荷役業務の日中へのシフトを推進する。現在、「D+2」の状況は、同社が取り扱う貨物量についてみるとビールなど酒類で9割程度、飲料では100%近くにまで進捗した。

拠点ネットワーク整備については、事業会社の生産拠点計画に基づきながら展開していくが、ドライバーやセンターの従業員にとって快適な休憩施設やトイレなどの整備も重視する。現在、全国の拠点でトイレ施設の環境向上を順次進めている。

「安全第一・キリン品質」を守り抜く

安藤社長は人財育成へのさらなる注力やデジタルICTを活用した施策のほか、安全・品質の追求に向けた全社的取り組みについても説明。成果として同社が3大物流災害と規定する「人とフォークリフトの接触、車両からの転落、動くモノへの手出し」は昨年末時点で884日連続で無災害を継続中。また、2大品質事故とする「出荷禁止品の出荷、法定印字違反」は600日連続で無事故を継続中だと報告。「全ての業務で基礎となるのは『安全第一』の考えと、グループ全体で最重要とする『キリン品質』を守ることだ」と強調した。
(2023年2月14日号)


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