明治、鉄道モーダルシフトで昭和産業と協業
明治(本社・東京都中央区、松田克也社長)は25日、昭和産業(本社・東京都千代田区、新妻一彦社長)と協業し、明治の倉敷工場から埼玉県の同社倉庫までの、オートフロアコンテナ(写真)を活用した鉄道によるモーダルシフトの復路において、昭和産業の商品を輸送する取り組みを2月から実施すると発表した。この取り組みにより、復路に積み荷がない状況を改善することで物流効率化を推進するとともに、昭和産業の当該復路に関わるCO2排出量を年間20t削減(削減率70%)することにも貢献する。
明治グループでは、明治グループ長期環境ビジョン「Meiji Green Engagement for 2050」を2021年3月に制定し、地球環境への影響のさらなる軽減を目指し、地球の平均気温上昇を1・5℃に抑えるパリ協定の努力目標に挑戦。50年までにサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量をゼロにする「カーボンニュートラル」の達成を目指している。
物流業界では、特にトラック物流において、トラックドライバーの時間外労働に対する規制が24年4月から強化される、いわゆる「2024年問題」や、輸送・配送における待機時間などによるドライバーの長時間労働、また、運転手の平均年齢も高齢化が進んでおり、物流効率化の取り組みは社会的な課題となっている。
こうした中、明治では国が推進する「ホワイト物流」推進運動に参画し、モーダルシフトの推進や待機時間の削減、付帯作業の軽減などの取り組みを行い、トラック輸送の生産性向上・効率化を推進。21年9月からは、明治倉敷工場から埼玉県の倉庫へのザバス(粉末プロテイン)などの出荷において、オートフロアコンテナを活用した鉄道による物流モーダルシフトを開始した。
オートフロアコンテナは、荷台の床を電動でスライドさせるための装置で、荷物を荷室の入口に積み、床ごと奥にスライドさせることで荷室の奥まで荷物を移動可能。このため、積み降ろし時に荷室内で作業を行うことなく荷室の奥まで積み込みを行うことができ、作業時間を短縮し業務の効率化を行うとともに、作業者の業務負担の軽減につながる。
今回、昭和産業との協業の取り組みにより、コンテナを共同運用する。昭和産業船橋工場の貨物を東京貨物ターミナル駅から神戸貨物ターミナル駅まで鉄道輸送し、兵庫県の昭和産業の倉庫まで運び、往復運用が可能になる。明治では「物流業務の効率化も実現するとともに、物流におけるCO2排出量を削減し環境負荷低減を図り、持続可能な社会の実現に貢献していく」としている。
(2023年1月31日号)