Ｆ―ＬＩＮＥ、メーカー６社と関西～九州間で定期海上輸送

Ｆ―ＬＩＮＥプロジェクト参加メーカー６社（味の素、カゴメ、日清オイリオグループ、日清製粉ウェルナ、ハウス食品グループ本社、Ｍｉｚｋａｎ）とＦ―ＬＩＮＥ（本社・東京都中央区、本山浩社長）は１日、今月から中部・関西地区から九州への輸送で関西～九州間のフェリーを使用した定期海上輸送を開始すると発表した。トラックによる輸送の一部を海上輸送に換えることで、トラックドライバーの労働環境改善、輸送の安定化、ＣＯ２排出量の削減を図る。

現在、中部・関西地区から九州への輸送では、メーカー各社が輸送手段（トラック・鉄道・海上）を都度手配し、６社共同配送を行っている九州の物流センター（Ｆ―ＬＩＮＥ福岡第一物流センター）に輸送している。同ルートでのトラック輸送の走行距離は６００㎞～７５０㎞ほどになるため、４月に適用されるドライバーへの時間外労働時間規制により、これまで通りに運べなくなることも想定される。

この課題に対し、Ｆ―ＬＩＮＥプロジェクトではフェリーによる定期海上輸送を今月から開始。この取り組みでは６社の輸送の一部について、各社ごとに出荷する曜日を割り当て、中部・関西の各社出荷拠点から関西の港まで陸送し、関西～九州間をフェリーで定期的に海上輸送を行う。

定期海上輸送のメリットとして、ドライバーがフェリーに乗船しない場合は航送区間の乗務の必要がなく、乗船する場合でも航送区間の時間は休息期間となるため拘束時間を削減。また、モーダルシフトによりＣＯ２排出量の削減につながる。定期輸送手段を６社で確保することで輸送を安定化し、常に一定の物量を同じ配送拠点に輸送するため物流波動も軽減。陸上輸送（トラック・鉄道）と海上輸送の複線化によりＢＣＰ対策も強化される。
（2024年3月7日号）