メニュー

にしてつ/センコー/JR貨物、航空貨物の保税運送で鉄道利用

2022.12.22

西日本鉄道国際物流事業本部(にしてつ、本部・東京都中央区、北村慎司本部長)、センコー(本社・大阪市北区、杉本健司社長)、JR貨物(本社・東京都渋谷区、犬飼新社長)の関西支社は、大阪府泉佐野市の西鉄りんくう貨物センターから、成田・羽田空港国際貨物地区への航空貨物の保税運送における鉄道輸送を開始する。9月からテスト輸送を開始しており、本格稼働は来年4月を予定している。

にしてつは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で航空便が減少し始めた当初から、比較的便数の多い成田・羽田発の国際線に着目し、国際線便数が減っている関空発を補強する形で、関空対岸の西鉄りんくうにおいて税関より輸出許可を受けた外国貨物を長距離トラックで保税運送して成田・羽田空港国際貨物地区へ搬入する――というフローを実施してきた。

成田・羽田空港国際貨物地区への保税運送が定着する中、顧客のサプライチェーン維持への貢献を図ると同時に、国内で長距離トラック運送の安定供給が危惧される「2024年問題」や、長距離トラック運送時に排出されるCO2排出量の増加という複合的な課題を解決するため、にしてつ、センコー、JR貨物関西支社の3社の協働により、航空貨物の保税運送における鉄道輸送を開始することとなった。

関空から成田・羽田空港国際貨物地区への保税運送において安定供給が可能な別ルートを設定することで、輸出者のサプライチェーンの最適化に寄与。長距離トラックの輸送区間をCO2排出の少ない鉄道輸送が担うことで排出量を削減。当該輸送を実施した場合、西鉄りんくうから成田・羽田空港国際貨物地区への全行程をトラックで輸送する場合のCO2排出量と比較して、約60%程度削減される。

現在、にしてつの手配により西鉄りんくうから成田・羽田空港国際貨物地区へ保税運送している貨物の約半分を、将来的にこの新たなルートへ切り替えることを目標とし、「増加する地域間の航空貨物の保税運送において、3社はCO2排出量削減やトラックドライバー不足の解消に向き合った新たなルートによる輸送サービスを提供していく」としている。

JR貨物「新たな切り口」

14日に行われた定例会見でJR貨物の犬飼社長は「これまで保税運送という観点では、東京~盛岡間の海上コンテナ輸送だけだったが、今回、航空貨物という新たな切り口が加わったことは非常に喜ばしい。他の輸送モードとの結節機能の強化は、当社が目指している形のひとつでもあり、これからも需要があれば前向きにお応えしていきたい」と述べた。
(2022年12月22日号)


関連記事一覧