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「要請」事案は元請の過積載強要=国交省/荷主対策

2022.12.08

国土交通省は2日、貨物自動車運送事業法違反に関する2件目の「要請」事案について概要を公表した。「要請」は11月に実施し、対象は東京に本社のある元請事業者だった。同制度で規定する「荷主」は「真荷主」と「元請」の両方を含んでおり、8月に実施した1件目は真荷主、2件目は元請が対象となった。当該元請は下請けに対し、関東で軽貨物車の過積載運行を指示、近畿で一般トラックに過積載を強要。そのほか無理な運行指示などを行っていた。

運賃交渉に応じず、忠告も聞かず

国交省は関東運輸局管内で、元請の依頼を受けて実運送を担う事業者から、「軽貨物車による飲料水配送において、委託を受けている荷量を運ぶために過積載となっていることを相談したが、対応してもらえない」との情報を入手。過積載運行だけでなく、無理な運行指示やドライバーの拘束時間の超過などの違反原因行為がみられた。加えて、下請事業者は適正運賃を収受するため元請に対して交渉を要望したが、元請側は正当な理由なく交渉に対して消極的な姿勢を示していた。

情報を十分に精査した後、国交省は10月、当該元請に対し、違反原因行為について改善を行うよう「働きかけ」を実施。それに対し、当該元請は「改善計画の作成に着手する」と回答した。しかし、国交省が「働きかけ」を行った後、今度は近畿運輸局管内で一般貨物自動車運送の下請事業者に対し過積載を強要していることが判明。下請事業者から国交省の窓口に、「過積載とわかっていながらトラックに荷物を積むよう強要してくる。過積載である旨を忠告しても聞いてもらえない」との相談が寄せられた。

さらに情報を精査した結果、違反原因行為について当該荷主が関与していると判断。事態を重視した国交省は「働きかけ」を行った翌月の11月に「要請」を発出した。社名公表の前段階に相当する「要請」がなされたことから、当該元請は「違反原因行為の防止に向けて全社レベルでの対策強化に取り組む」と回答。改善計画がまとまり次第、国交省に対して報告するとした。国が「働きかけ」を実施した後も、当該元請が過積載の強要を続けていた理由は、関東運輸局管内の当該元請の担当部署での情報が、近畿運輸局管内の担当部署に伝わっていなかった可能性があるとの見方もある。
(2022年12月8日号)


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