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JR貨物、12月のコンテナは前年比0・7%減

2022.01.18

JR貨物(本社・東京都渋谷区、真貝康一社長)の12月の輸送実績は、コンテナが前年同月比0・7%減の167万2000t、車扱が1・0%増の91万1000t、合計が0・1%減の258万3000tとなり、ほぼ前年並みだった。13日に会見した真貝社長は「コロナ前の2019年12月との比較でも、補正値ベースでコンテナが2・3%減、車扱が0・4%増、合計が1・3%減とほぼ同水準まで回復してきた」と述べた。

コンテナ品目別では、積合せ貨物がブロックトレインの運転開始もあって引き続き好調なほか、紙・パルプも1月からの洋紙値上げを前に駆け込み需要があった。一方、自動車部品は引き続き前年割れが続いているものの、自動車メーカーの生産調整は解消されつつあり、回復基調に転じた。
車扱は、石油が価格上昇により需要が低迷したものの、セメント・石灰石などが好調で全体では前年を上回った。

1月に入ってからも、12日までの実績は、補正値ベースでコンテナが前年比0・3%減、車扱が7・3%増、合計が2・9%増で推移しており、回復基調にある。真貝社長は「ただ、オミクロン株による感染が広がっており、今後の需要動向は収束のタイミング次第になる」とした。

また、今年3月のダイヤ改正において、利用運送事業者向けにブロックトレインを新設することについて、和氣総一朗執行役員営業部長は「2024年問題を控え、利用運送事業者の皆さんに中長距離での輸送枠を確保していただきたいという狙いがある」と述べた。

真貝社長「脱線事故、重く受け止めている」

13日の会見では冒頭、真貝社長が年末の12月28日に山陽線瀬野駅~八本松駅間で発生した貨物列車の脱線事故について「関係先に多大なるご迷惑をおかけした」と謝罪した。

事故原因については現在、運輸安全委員会が調査中だが、脱線した貨車に積載されたコンテナに許容値を上回る偏積が確認された。真貝社長は「事故との因果関係は現時点では分からないが、14年6月に旧江差線で起きた脱線事故を契機に偏積防止対策を強化していたにもかかわらず偏積の事実があったことを重く受け止めている」として、年明け4日に安全強化の緊急文書を全社員に発信したほか、翌5日の年頭訓示でも安全の強化を再度訴えた。

今後は利用運送事業者と協力しながら偏積がないことの確認を徹底していくほか、輪重測定装置の設置も検討していく。
(2022年1月18日号)


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