国交省、トラック運送の実態調査を開始
国土交通省は今月から、トラック運送事業者とドライバーを対象に、運送実態の把握を目的としたアンケート調査を開始した。調査期間は3月上旬まで。時期は未定とするが調査結果は公表する方向で検討している。
調査では、2017年に改正・施行された標準貨物自動車運送約款に基づいた、「運賃」と「運送以外の役務の料金」の区別や、それによる積込料、取卸料、待機時間料などの収受状況を聞くほか、契約書面化の有無、荷待ち時間の発生状況などを調べる。
また、改正貨物自動車運送事業法の柱である標準的な運賃に関連し、運賃変更届出の有無や、取引環境改善に向けた交渉状況を調査。改正法では安全な輸送を確保するための「荷主の配慮義務」も明記されていることから輸送依頼の内容についても聞く。
なお、現在、改善基準告示の改正に向け、厚生労働省がドライバーの労働実態について調査を実施している。そのため国交省調査ではドライバーの拘束時間や労働時間、運転時間についての詳細な調査は行わない。また、コロナ禍の影響についても、国交省は所管業界に対し、月次調査を別途行っていることから今回の調査項目には含んでいない。
国交省の担当者は「15年9月に実施したトラック輸送状況の実態調査を踏まえ、業界の取引環境改善に向けて様々な施策を実施している。今回の調査によって施策の進捗状況を把握したい」としている。
なお、15年時の調査期間は1週間だったが、今回はコロナ感染症防止の観点から調査期間を1ヵ月程度に延ばした。