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運輸労連が立憲・枝野代表、赤松衆院副議長に緊急要請

2020.04.16

全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連、難波淳介中央執行委員長)は13日、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中、立憲民主党の枝野幸男代表と運輸労連政策推進議員懇談会の会長を務める赤松広隆衆院副議長に対し、①マスク・消毒液など衛生用品の確保、②トラックドライバーへの誹謗中傷や差別的取り扱いがないよう国民の理解と協力、③新型コロナウイルス感染時の補償と雇用調整助成金の拡充――の3点について緊急要請を行った。

マスクの優先供給を要望、差別的取り扱いへの懸念も

緊急要請では、マスク・消毒液など衛生用品の確保が急務となる中、事業者によっては備蓄がなく、個人で購入せざるを得ない状況もあるため、トラック運輸産業への優先的な供給を行うよう政府に要請するよう求めた。

また、ドライバーへの誹謗中傷や差別的取り扱いをなくすため、トラック輸送の現状について国民に周知し、理解が得られるよう情報の発信を要望。現状ではマスコミ報道により医療機関をはじめ、食料などを供給するスーパー・百貨店・コンビニ、旅客輸送を行う交通機関の状況は取り上げられているが、トラック輸送の役割や重要性については周知がなされていないと指摘。感染への脅威を感じながらトラック運輸産業の労働者は物流を止めてはならない使命感により輸送を継続していることを訴えた。

労災保険適用や雇用調整助成金の拡充を

新型コロナ感染時の補償と雇用調整助成金のさらなる拡充では、就業時の新型コロナの感染が疑われる場合は労働者災害補償保険(労災保険)の適用がなされるよう政府に対して要請を行うよう求めた。

加えて、ウイルス感染が収束し、経済が回復する局面で物流が円滑に機能するためには離職者の増加や企業倒産に歯止めをかける取り組みが必要となると指摘。雇用調整助成金では、すでに給付条件緩和や給付率アップなどの措置が取られているが、より一層の支援に向け、コロナ対策野党連絡協議会が掲げる10割補償や支給日数限度の延長などさらなる拡充がなされるよう政府に要請することを要望した。

現在、ライフラインの維持を使命にトラック運輸企業は食料や生活必需品、医療関係用品・医薬品の輸送に従事。各企業では従業員の健康確保と取引先や配送先への感染防止の観点からドライバーのマスク着用や手指の除菌を励行し、宅配便では配達時の対面を考慮した工夫など様々な取り組みを実施している。
そうした中、マスクの品不足により着用が困難な場合が生じた際に物流センターでの出入り禁止や荷受けを拒否されたり、個人宅での配送時の誹謗中傷や、ドライバーの子どもが学校から登校を拒否され入学式・始業式を欠席するなどの状況も生じている。また、緊急事態宣言の対象地域への運行を避けるドライバーや、思い余って退職を考えるものも出始め、人手不足が加速する懸念も生じている。地域によっては感染クラスターの発生により物流が止まる可能性すら危惧される。こうした状況を踏まえ、運輸労連はライフラインを止めず〝物流崩壊〟による経済や国民生活の破綻を防ぐため今回の緊急要請を行った。
(2020年4月16日号)


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