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JR貨物 20年度事業計画、鉄道事業を黒字化

2020.04.07

JR貨物(本社・東京都渋谷区、真貝康一社長)は3月31日、2020年度の事業計画を策定し、同日付で国土交通省から認可を受けた。20年度は前期からスタートした中期経営計画の2年目として、さらなる成長と発展に向け具体策をスピードを上げて実行していく。数値目標では、18年度から2期連続での赤字が見込まれる鉄道事業の黒字回復を目指すとともに、連結経常利益100億円の達成を掲げた。

収支計画では、主力事業である鉄道事業の単体収入1461億円(19年度見込み1439億円)、営業利益0億円(同26億円の赤字)を計画し、自然災害の影響などで2期連続の赤字が見込まれる鉄道事業の黒字回復を見込む。前提となる輸送量は19年度比1・4%増、コンテナ収入で3・1%増を想定した。ただ、計画には新型コロナウイルスによる影響を織り込んでいない。同日会見した永田浩一取締役兼常務執行役員経営統括本部長は「鉄道事業を何とか水面上に浮上させたい。コロナの影響で先行きは不透明だが、今後さらに影響が拡大することになれば、四半期ごとに計画を見直すなどタイムリーかつ柔軟に対応していく」と述べた。また、JR貨物グループ全体での連結売上高は2005億円(19年度見込み1972億円)、連結経常利益は100億円(同82億円)を目指す。

荷主との「勉強会」などで新規需要を開拓

20年度の鉄道事業では、荷主企業との「勉強会」を実施することで鉄道需要の掘り起こしに努めるほか、eコマース・通販、温度管理を必要とする食品・薬品、住宅建材・設備などの業界をターゲットにした営業活動の推進、プライシングの適正化などを進めていく。

また、総合物流事業では、「駅ナカ・駅チカ倉庫」の整備や駅構内に「積替ステーション」を整備することでトラックと鉄道のスムーズな連携を推進する。このほか、AIやIoT、ビッグデータの活用による貨物駅の自動化・省力化の検討を進めていく。

20年度の設備投資は総額224億円を計画。内訳は車両新製、老朽施設更新などの維持・更新投資が133億円で、東京レールゲートEASTの設計など成長・戦略投資が91億円となっている。
(2020年4月7日号)


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