JMTが東京・平和島に「ダイナベース」を竣工
日本自動車ターミナル(JMT、本社・東京都千代田区、秋山俊行社長)は24日、東京都大田区平和島の京浜トラックターミナル内に建設を進めていた高機能大型物流施設「ダイナベース」を竣工した。同施設はJMTが会社創立50周年記念プロジェクトとして建設に着手した初のマルチテナント型物流施設で、延床面積は約9万7000㎡と単独施設としては同社最大。竣工式で秋山社長は「ダイナベースの竣工を機に、新たなステージに向け第一歩を踏み出していきたい」と述べた。
ダイナベースは地上5階建て・延床面積約9万7000㎡。各階に40ftコンテナ車が直接乗り入れできるダブルランプウェイ方式を同社施設として初めて採用し、ワンフロアごとの効率的な事業運営を可能にした。また、ダブルランプウェイを含めた施設全体について免震構造を採用したほか、72時間対応の自家発電設備を備えるなど災害対応力を高めている。機能面でも温度管理物流に対応するため、電力設備を増強した。
さらに、屋上部分にはサッカー場2面分の太陽光パネルを敷設して環境負荷軽減に努めているほか、施設内に女性向けパウダールームや休憩室などアメニティも充実し、〝働きやすい物流施設〟にした。
ダイナベースは、その立地優位性の高さもあり、竣工約1年前に全スペースのテナントが決定。1階部分に外食企業大手の尾家産業が入居するほか、2~5階部分には医薬品卸大手の東邦ホールディングスが入居し、5万㎡超の大型物流センターとして活用することが決まっている。
秋山社長「新たなステージの第一歩に」
24日の竣工式で挨拶した秋山社長は「京浜トラックターミナルは今年6月に開業50周年を迎えたが、その節目にダイナベースを竣工することができた。JMTが新たなステージに踏み出す第一歩になる」と意義を強調。さらに、JMTの今後の事業展開について「首都・東京が抱える物流課題に応えていく大都市物流戦略“メトロポリタン・ロジスティクス”の具現化を推進していく」と語った。
来賓として国土交通省の国土交通省の重田雅史物流審議官、東京都都市整備局次長の小泉健氏、大田区長の松原忠義氏が祝辞を述べた。このうち重田物流審議官は「入居される東邦ホールディングスはダイナベースを選んだ理由として、立地優位性と災害対応力の高さを挙げていたが、社会的意義が高い施設になる」と評価した。
東邦HD「ロボットで世界最先端の物流センターに」
ダイナベース内に首都圏の旗艦拠点を整備する東邦ホールディングスの森久保光男専務は「ダイナベースは立地や構造面で理想的であり、我々の期待を叶えてくれる施設になりうる」とした上で「今後約1年間をかけて、施設内に物流機器などを入れて機能を構築していく。東邦ホールディングスは病院や調剤薬局に薬を納める医薬品卸だが、間違いが許されない仕事でもあり、誤出荷を限りなくゼロにしていきたい。いま、出荷精度99・99999(セブンナイン)の精度を追及しており、そのためにこのセンターの中に、ロボットを30台以上導入する計画を立てている。おそらく世界的にも最先端の施設になるだろう。また、災害に強いセンターにもしていきたい。首都圏で災害が起きた際、当社には医薬品を供給するというミッションがある。今後1年かけて、行政をはじめとする関係者の力を借りながら、災害時に貢献できる場としていきたい」と語った。
(2018年7月26日号)