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JR貨物、9月のコンテナ実績は9・5%減に

2024.10.22

JR貨物(本社・東京都渋谷区、犬飼新社長)の9月の輸送実績は、コンテナが前年同月比9・5%減の144万3000t、車扱が3・2%減の63万5000tとなり、合計では7・7%減の207万8000tとなった。台風10号をはじめとする自然災害に加え、輪軸組み立て作業における不正行為に伴う貨車緊急点検により、一時的に列車の運行を停止させたことで多数の列車に運休や遅れが生じたほか、一部貨車の運用停止に伴い列車編成両数を減らした影響もあり、輸送実績は前年を下回った。
コンテナ品目別では、積合せ貨物、農産品・青果物、食料工業品をはじめとするすべての品目で前年実績を下回った。

車扱は、石油が堅調な荷動きによりプラスとなったものの、石灰石は顧客の設備改修に伴う出荷調整により生産調整などにより前年割れとなった。

また、上半期の輸送実績では、コンテナが前年同期比0・6%増の877万9000tとプラスを確保したが、車扱が2・7%減の377万7000tとなり、合計では0・4%減の1255万6000tとなった。

犬飼社長「12月初旬に輸送力戻したい」

17日に会見した犬飼社長は、足元の荷動きについて「災害や輪軸不正に伴う編成減車の影響でマイナスとなったが、ベースの荷動き自体は悪くない。また、災害などがあっても鉄道への荷物の戻りが早くなっている。輸送力が落ちている関係もあるが、コンテナ積載率が80%を超える日が増えてきたほか、週末の利用率も高まっている」と述べた。今後については「『2024年問題』が始まってから半年以上が経ち、ドライバーの労働時間との兼ね合いから、鉄道の出番が増えていく」との見通しを示した。

他方、輪軸不正に伴って運用を停止している一部貨車の運用再開について「現在も輸送力の10%弱が運用停止となっているため、点検や車軸交換を進めて順次運用に戻していく作業を進めている」と説明し、「安全をしっかり担保し、JR旅客会社の了承を得た上で運用を再開していく。できれば12月初旬には輸送力を従来のレベルにまで整えて年末繁忙期に対応していきたい。お客様からは利用をもう少し増やしたいのに貨車が足りなくて増やせないというお叱りもいただいている」とした。高橋秀仁・執行役員鉄道ロジスティクス本部副本部長も「お客様である荷主や利用運送事業者からは、年末繁忙期に安心して運べるよう編成減車を早く解消してほしい、という声をいただいている」と述べた。
(2024年10月22日号)


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