JR貨物、貨物列車は通常の運転本数を維持
輪軸組み立て作業における不正行為が判明し、631両(19日現在)の貨車を運用停止しているJR貨物(本社・東京都渋谷区、犬飼新社長)だが、貨物列車の運行については通常の運転本数を維持している。列車や区間ごとの需要に応じて、貨車の編成両数を減らすなどの柔軟な対応を行いながらも、運転本数自体は減らさずに物流網の維持に努めている。
同社によると、コンテナ列車の全日平均の積載率は現在72%程度。区間や曜日、時間帯などで波動があるが、こうした需要の波を丁寧に見極めながら、需要の多い列車は通常の編成両数を維持する一方、積載率の低い列車の連結車両数を減らすといったやり繰りを続けている。同社は「農産品の収穫が最盛期を迎える北海道発の列車はこれまで通りの輸送力を維持するなど、お客様への影響を最小限にとどめたい」とする。
JR貨物が保有する貨車は約7000両あり、運用停止となっている631両は計算上では1割弱に相当する。ただ、通常時に稼働している貨車は7000両のうち約6000両で、約1000両分は「交番検査」と呼ばれる定期検査の差し替え用などのために、貨車数に一定の余裕を持たせているという。このため、現在の貨車数は「運転本数を減らさないぎりぎりのレベル」にあるようだ。
同社は現在、平日よりも積載率に余裕がある土日の列車活用なども顧客に働きかけているが、運用停止中の貨車の安全が確認されるまで難しいやり繰りが続くことになりそうだ。
(2024年9月24日号)