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日本郵便G/セイノーG、幹線輸送の共同運行で業務提携

2024.05.14

日本郵便グループ(日本郵便、日本郵便輸送、JPロジスティクス)とセイノーグループ(セイノーホールディングス、西濃運輸など)は9日、「2024年問題」をはじめとする物流業界の課題解決に向けて、幹線輸送の共同運行を目的とした業務提携に合意したと発表した。今後、両社グループの担当者による合同チームで実施に向けた詳細な検討を深め、来年4月をメドに幹線共同便の定常化を目指す。また、幹線輸送にとどまらない共同化や協業の可能性についても検討を深めていくほか、オープンプラットフォーム化を進めることで他業者の参画も促していく。

同日、都内で共同記者会見を行い、日本郵便の千田哲也社長(写真右)、西濃運輸の髙橋智社長(写真左)らが登壇した。西濃運輸の髙橋社長は、協業の経緯について「物流課題の解決には個社の努力だけでは限界があり、企業の枠を超えた『共創』が重要。セイノーが目指す『オープン・パブリック・プラットフォーム(O・P・P)』と、日本郵便グループが進めている『共創プラットフォーム』の方向性が一致した」と説明。両社グループの荷物を積み合わせて運ぶことで、輸送効率の向上や環境負荷の低減を図り、持続可能な物流を構築していく必要があると強調した。

日本郵便の千田社長も「事業には『競争』と『共創』の両方が必要だが、物流ネットワークにおいては共創し、手を携えて、誰でも参加できるオープンなプラットフォームを通じて業界連携の規模を拡大していきたい」と述べ、「将来的には、政府が進めているフィジカルインターネットにつながるものにしていきたい」との展望を語った。

両社グループは、今年2~3月に東京~大阪・滋賀、東京~名古屋、神奈川~栃木など5路線で共同運行のトライアルを実施。さらに4月から3路線を加えて、荷物の受け渡し方法などオペレーション面での課題の洗い出しを進めてきた。具体的には、宅配貨物や小型荷物が多い日本郵便グループはロールボックスパレットを使用することが多いのに対し、企業間物流が主体のセイノーグループは直積みか平パレットの使用が多い。このため、トライアルではセイノー側が一部、ロールボックスパレットを使用するなどの調整を行った。今後はトライアルで得られた課題などをもとに合同チームがルールや仕組みづくりを進め、来年4月にも幹線共同便の定常運行を実現したい考え。

さらに、今後は幹線輸送にとどまらない共同化や協業の可能性についても検討を深めていく。具体的には、配送業務や物流施設の共同利用、自動化・DXを見据えたシステム連携、ドライバーの採用や育成などについても検討していく。さらに、西濃運輸が昨秋に北大阪市に開設した中継輸送に特化した拠点についても、日本郵便グループを含めた同業他社の利用を広く受け入れていく方針。
(2024年5月14日号)


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