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福山通運が浪速運送と提携、輸配送を共同化

2023.11.14

福山通運(本社・広島県福山市、小丸成洋社長)は8日、ハンガー配送などファッション物流に強みを持つ浪速運送(本社・大阪市西区、東宏剛社長)と業務提携契約を締結したと発表した。両社は慢性的なドライバー不足をはじめ燃料価格の高騰、「2024年問題」など物流課題の解決に向け、安定的な物流サービスを提供するための検討を進めてきた。業務提携により共同幹線輸送に取り組むほか、アパレルの共同配送などで連携を強化し、積載効率の向上を図るとともに環境負荷低減に取り組む。

共同幹線輸送は、浪速運送と福山通運の関東~関西の輸送で実施する。浪速運送は東京センターと大阪センターの間で幹線輸送を行っているが、関東向けに対して関西向けの荷量が1・5倍と多いことから、関西向け車両の積載量を100とすると関東向けの車両はその3分の2相当になるなど関東~関西で積載率の落差が生じていた。また、長距離運行により泊まり運行となっていたことも課題だった。

福山通運は愛知県豊川市の豊橋支店を中継地点とし、車両を乗り換えるかたちで関西~関東の幹線輸送を実施しているが、浪速運送とは逆に関東向けの荷量が関西向けの1・5倍多く、関西向けの積載率が低くなっていた。共同輸送スキームでは、関東向けと関西向けの荷量の差を補い合うかたちで車両を相互利用するとともに、福山通運の中継輸送スキームを活用することで浪速運送は泊まり運行から日帰り運行に切り替えることが可能となった。ドライバーの拘束時間の短縮にもつながり、2024年4月からの時間外労働規制にも対応できるようになった。

一方、共同配送では納品業務を集約し、これまで両社が別々に行っていたアパレルの配送を共同化。福山通運と浪速運送が同一店舗へそれぞれ配送を行っていたのを改め、両社が共同配送を行うことで車両の積載効率の向上や環境負荷低減を実現する。また、浪速運送が得意とするハンガー納品を、福山通運の車両も6輪カートなどを活用することで小ロットのハンガー納品を実施する。

さらに今後は、物流拠点の共同利用などによるドライバーの長時間運行の削減を図るとともに、さらなる共同化による効率的な物流サービスを提供していく方針。加えて人事交流を通じて人材育成に努め、両社の事業基盤強化を目指していく。
(2023年11月14日号)


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