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日倉協、円滑な価格転嫁のための要請文書を作成

2024.03.19

日本倉庫協会(久保高伸会長)は13日、寄託者(荷主)あてに円滑な価格転嫁をお願いする嘆願書を作成したと発表した。会員である倉庫事業者が荷主との価格交渉の場で活用することを想定している。

日倉協では2022年春からのエネルギー価格や電気代の高騰を受けて、コスト上昇分について荷主に対し円滑に価格転嫁できるよう、政府による取り組みを要請してきた。また、昨年11月には、内閣官房と公正取引委員会が「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を作成し、賃上げにかかるコストの価格転嫁についての政府全体での取り組みが進んでいる。

しかし、倉庫業はトラック運送業とは異なり、法令に基づく「標準的な運賃制度」や「トラックGメン制度」がないため、業界だけで価格転嫁を実現することは容易ではないことから、今回、国土交通省との連名で嘆願書を作成したもの。

「倉庫事業者の円滑な価格転嫁の実現について(お願い)」と題された嘆願書では、「倉庫事業者の収受する料金(保管料、荷役料、運送料等)には、当然のことながら、人件費やエネルギーコストが含まれていますが、多くの倉庫事業者が適正な労務費を収受できていない実態があり、こうした状況の改善のためには倉庫を利用されている寄託者(荷主)の皆様のご理解が欠かせません」として、労務費の適切な転嫁への配慮を求めている。
(2024年3月19日号)


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