SBSHD/21年12月期2Q 売上高57%増、営業利益2・2倍
SBSホールディングス(本社・東京都墨田区、鎌田正彦社長)の2021年12月期第2四半期連結業績は、売上高が半期業績として初めて2000億円を突破するなど、売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。SBS東芝ロジスティクスの新規連結化が大きく寄与したほか、既存事業もECなどの宅配、食品物流が好調だった。2Qまでの好調を受け、通期業績を上方修正し、売上高は4000億円の大台への到達を見込む。
21年12月期2Q業績は、売上高が前年同期比56・6%増の2022億4400万円、営業利益が約2・2倍の139億6900万円、経常利益が同じく約2・2倍の139億3600万円、純利益が89・0%増の78億900万円となり、大幅な増収増益となった。新規連結化したSBS東芝ロジの業績が巣ごもり消費による家電物流の好調もあって大きく寄与したほか、前期にコロナ禍で落ち込んだ企業間物流の物量回復、海上運賃・航空運賃の高騰なども業績を押し上げた。SBS東芝ロジの寄与分は売上高で554億円、営業利益で36億円だった。不動産セグメントにおける南港物流センターの流動化も増収増益に貢献した。
2Qまでの好調を反映して通期業績を上方修正。売上高を前期比55・5%増の4000億円、営業利益を82・5%増の200億円、経常利益を79・2%増の195億円、当期純利益を56・7%増の107億円に引き上げた。下期は、上期にあった家電物流の特需要因が剥落する可能性があることに加え、コロナ収束時期など不透明な要素が多いことから固めの数字を予想するものの、売上高・営業利益とも最高値を更新し、売上高は4000億円に到達する見通し。
グループ本社機能を移転・集約へ
6日に会見した鎌田社長(写真)は、リコーロジスティクスや東芝ロジ、21年から新規連結する古河物流など大型M&Aによる事業拡大と並行して、地域密着型の中小事業者を買収する〝スモールM&A〟を加速していくと表明。21年に入ってからすでに日ノ丸急送、旭新運輸開発、ジャスをグループ化した。「大型M&Aを進めていくとどうしても足回りが足りなくなるため、今後も中小事業者のグループ化を通じて配送を強化していく」(鎌田氏)と述べた。また、数多くのM&Aによるリソースの集積により「ほとんど何でもできる物流会社グループに成長してきた」(同)との認識を示した。
さらに、物流センターの運営床面積を早期に100万坪まで拡大する考えを表明。現在の床面積が74万9000坪、計画中の施設を含めると94万坪程度になることから、「数年内に100万坪に間違いなく到達する」(同)と自信を見せた。IT/LTを駆使した物流センターの自動化・ロボット化にも意欲を示し、10月に竣工予定の「横浜金沢物流センター」では東洋最大規模のオートストアを導入するなど最新鋭のマテハンを装備して生産性の向上を図っていく。同センターはSBSリコーロジが運営を担当し、大塚商会の「たのめーる」の主要拠点となる。
鎌田社長はこのほか、今年の年末をメドにグループ各社の本社機能を現在の錦糸町から東京・西新宿に移転・集約することを発表。「PMI(買収後の統合作業)のためにも、同じ場所にいることが大事になる。移転を通じてグループの融合をさらに加速させていく」との考えを示した。
(2021年8月19日号)