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丸運、長期ビジョンで4事業を次期成長分野に

2022.06.14

丸運(本社・東京都中央区、桑原豊社長)は、グループの今後の成長戦略の方向性を示した「2030丸運グループ長期ビジョン」の中で、次期成長分野として「リサイクル物流事業」「機工事業」「食品流通事業」「危険物保管事業」の4事業を選定し、今後、成長に向け経営資源を投入していく。9日にオンラインで行われた2022年3月期決算説明会の中で桑原社長(写真)は、「4事業とも、現状における当社の市場内ポジションは低いものの、成長性が高く、丸運の強みを活かせる分野を選んだ。積極的な投資や資本提携、M&Aなどの手法を使って非連続な成長を実現したい」と語った。

長期ビジョンは、2030年度における丸運グループの〝あるべき姿〟を描き、その実現に向けた成長戦略を示した。数値目標では、30年度に売上高600億円以上(21年度実績467億円)、経常利益20億円以上(7億7000万円)を掲げた。

事業戦略では、国内一般貨物や非鉄金属向け素材一貫物流といった現在の主力事業を「営業強化分野」として位置づけ、さらなる事業拡大を図る。一方、〝脱石油〟により年率2%以上の減少が見込まれる石油ローリー輸送については、「効率化推進分野」として、徹底的な効率化によりコスト競争力を強化する。基本的に、「石油ローリー輸送の落ち込みを、営業強化分野でカバーする構図」(桑原社長)を想定する。

その上で、次期成長分野に位置づけた4事業を〝伸びしろ〟として、事業拡大を図る。桑原社長は4事業を選んだ基準として、①中長期における成長性②社会貢献性③丸運の経験値を活かせる分野――の3点を挙げた。具体的に、リサイクル物流事業では、廃プラ規制などに絡んだリサイクルプラント、機工事業では再生可能エネルギーへのシフトに伴う送電線網の再整備などの需要増を見込む。また、危険物倉庫では、環境・安全規制の強化による危険物保管需要の拡大を取り込む。

設備投資は、30年度までの9年間で総額250億円を計画するが、このうち営業強化分野に60億円、次期成長分野に60億円を充てる考え。
(2022年6月14日号)


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