JR東日本物流が浦和新拠点でチルド配送体制拡充
ジェイアール東日本物流(JR東日本物流、本社・東京都墨田区、唐澤朝徳社長)は新設した浦和物流センター(さいたま市桜区)を活用し、チルド物流業務の拡大を図る。同センターは、JR東日本グループで飲食事業を展開する日本レストランエンタプライズ(NRE)のCK本部浦和工場(浦和工場、同)から店舗への納品を担う配送拠点として、今年3月に開設(写真)。施設内には冷蔵倉庫を備え、将来的にはチルド商品の取扱いも視野に入れる。
24時間365日稼働でJR東日本グループを支援
浦和物流センターは昨年10月に既設のチルド倉庫とその敷地を取得し、改修工事を経て、開設した。敷地面積は約1200㎡で、倉庫施設は延床面積約650㎡の2階建てとなり、1階は休憩室とチルド倉庫、2階は事務所や会議室等に活用する。24時間365日稼働の配送拠点として営業することが特長だ。
トラックは、2温度帯管理の2~3t車16台を配備し、徒歩10分ほどの場所にある浦和工場から出荷される乳製品などのチルド商品や、米飯・サンドイッチ・弁当といった常温商品の配送業務を担う。配達先はJR東日本の駅構内などで営業する「New DayS(ニューデイズ)」「KIOSK(キオスク)」、を中心とし、対象エリアは首都圏1都3県や北関東、甲信越となる。
浦和工場からの配送便のうち約60コースをJR東日本物流が担当する。これらの配送は従来、同社さいたま物流センター(さいたま市北区)の車両が運行していたが、浦和工場との距離が離れていたため非効率だった。そこで、工場近接地に浦和物流センターを新設し、さいたま物流センターからトラックを移管して運行効率を向上。また、工場出荷作業部隊とも連携しやすい体制とし、品質向上などへの様々な取り組みが期待できるという。
16年からチルド物流業務の経験を蓄積
JR東日本物流では2016年4月にNRE大黒センター(横浜市鶴見区)の仕分け業務を受託して、チルド物流業務を本格的に開始。同所では乳業メーカーなどのチルド商品と、浦和工場をはじめとするNRE工場で生産した米飯などをクロスドックして、東京都や神奈川県を中心に配送している。
京浜チルドセンターでの実績が評価され、同年12月にはNREから、浦和工場の1階チルド室におけるピッキング・仕分け業務も受託。さらに、昨年6月には同工場で生産された米飯など常温商品のピッキング・仕分け業務も新たに請け負い、浦和工場から出荷される全商品の発送関連業務を担うに至った。
浦和工場で取り扱うメーカー数は約20社で、仕分け数量は米飯類・チルド類合計約400アイテム。1日あたりの平均出荷量は約20万~30万個と波動も大きく、納品先は駅構内の小売店や飲食店など約800店舗を超える。なお、JR東日本物流では同工場内でのピッキング・仕分け業務をこれまで「浦和チルドセンター」として組織していたが、浦和物流センターの開設に合わせて、「浦和物流センター・チルド分室」に再配置している。
(2019年5月14日号)