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サントリーロジ、フォークリフトにプリンター搭載

2024.03.12

サントリーロジスティクス(本社・大阪市北区、武藤多賀志社長)はフォークリフトにモバイルプリンターを搭載し、フォークリフトオペレーターの作業負担を軽減する取り組みを推進する。首都圏の大型物流拠点「サントリー長津田配送センター」(横浜市緑区、写真)での導入を昨年12月に開始し、時短や作業者の負担軽減がみられたことを受け、今後は拠点ごとの運営特性を踏まえつつ、他拠点への展開を進めていく方針だ。

ムダな時間を省き、働き方改革にも貢献

長津田配送センターはグループの酒類と食品を中心に取り扱う24時間稼働の都市型DC。建物は鉄骨造・一部鉄筋コンクリート造りの3階建てで、倉庫面積は2フロア合計で約3万㎡(各フロア約1万5000㎡)。1階の製品保管エリアでリーチ式フォークリフトがピッキング作業を行っているが、稼働するリフト23台すべてにモバイルプリンター(ブラザー販売製「PJ-883」、販売元:フジテックス)を搭載した。従来は、ピッキング作業時に必要となるピッキングリストを受け取るため、フロア内3ヵ所に設置された固定プリンターのある場所へオペレーターが移動する必要があった。また、ハンディターミナルを用いて印刷した後は、リストを受け取るには、毎回リフトから降車する必要があった。さらに、繁忙期には複数のオペレーターそれぞれのリストが印刷されるまで、プリンターの前で順番を待つ事態も生じていた。

そこで課題の解消を図り、ピッキング作業を行うすべてのリーチ式リフトに軽量でモバイル式のプリンターを搭載。その都度プリンター設置場所に行かなくとも、ピッキングリストを受け取れるようにした。これにより、1人のオペレーターが約270時間/年の作業時間を削減できる見込み。

モバイルプリンター導入プロジェクトで中心的役割を果たした同社神奈川支店課長の大川正人氏は「1枚のピッキングリストを受け取るためにプリンターのある場所へ移動してリストが印刷されるまでの時間は約65秒かかっていた。1回ではわずかな時間かもしれないが、仮に1日平均50件のピッキングを行うとするとトータルで1日1時間程度となる。このムダな時間を省けるのではないかと考えた」と導入の意図を語り、「移動の時間やプリンターの前での待機がなくなり、作業者の肉体的・心理的な負担も軽減された」と効果を説明した。

本格導入にあたっては昨年11月に3台のリフトを用いてトライアル運用を開始。プロジェクトを担当した神奈川支店倉庫担当の矢島拓海氏は「検証を行う中で、プリンターを運転台に置いた際の作業の安全性や、印字が十分に視認できるか、印字された感熱紙が丸まってしまい読みにくくならないか――などをチェックしたが、バーコードの可読性を高めるため印字濃度を若干濃くする調整を施した以外、支障なく活用できることが確認できた」と振り返る。その結果を受け本格導入を決定し、12月にピッキング用リフト全台がモバイルプリンターを搭載した。プリンターは2~3時間の充電で連続2日間程度稼働できるため、オペレーターは退勤時に充電器コーナーにプリンターを持参して充電するようにしている。

他拠点への水平展開も視野に

大川氏は「フォークリフト1台ずつに専用プリンターを搭載したことで、ムダな時間を省き効率性を高められた。それに加え、リフトの昇降回数が減ったことでオペレーターの疲労度を軽減できた。(疲労による)昇降時の転倒などを未然に防ぐなど安全衛生の観点からも、より良い職場づくりのためにも有効な取り組みだと考えている」と効果を説明する。

長津田配送センターで成果が得られたことから、今後は他拠点での導入も視野に入れている。2月には「浦和美園配送センター」(さいたま市緑区)でトライアル運用を実施。続いて3月に沖縄豊見城配送センター」(沖縄県豊見城市)で実施する予定としている。
(2024年3月12日号)


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