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全農物流、首都圏初の3温度帯倉庫が完成

2023.05.02

全農物流(本社・東京都千代田区、寺田純一社長)は4月25日、「埼玉新倉庫」(埼玉県久喜市)2棟の竣工式を開催した。同社は既存の「埼玉倉庫」(同)の隣地において2021年12月に冷凍冷蔵倉庫「埼玉新倉庫・7号倉庫」の建設を開始し、翌年4月には常温倉庫と事務所を兼ねた「8号倉庫兼新事務所棟」を起工し、両倉庫とも今年3月31日に竣工した。全国農業協同組合連合会(全農)は久喜市において米・青果・食肉・冷食等の集荷・保管・加工・配送を一体的に担う物流・加工施設を整備するプロジェクトを立ち上げており、全農物流は同PJの一環として「埼玉新倉庫」を建設した。同社では「神戸倉庫」(神戸市兵庫区)に続く2番目の冷凍冷蔵倉庫となる。

竣工式で挨拶に立った寺田社長は「全農の掲げる久喜開発プロジェクトの第1期工事として埼玉新倉庫の完成に至った。この新倉庫は当社最大規模の施設となる。首都圏で初めての冷凍冷蔵倉庫として、今後さらなる需要拡大が期待される低温物流など新たな事業領域の拡大に向けて活用していく」と表明。新倉庫を農畜産物の輸送・保管の基幹となる拠点として運営することで「これまで以上に物流品質を向上させるとともに、現場感覚を第一に、提案型企業として顧客の皆さまに必要とされるよう取り組んでいく」と意気込みを語った。

併設事務所には本社機能の一部を移管

「7号倉庫(写真)」は延床面積1万6553㎡で、建物は2階建て。鉄筋コンクリートの柱と鉄骨の梁とを組み合わせたRCSS構造で広い空間を確保した。冷凍3倉・冷蔵4倉・低温8倉の3温度帯と常温4倉を設備した。冷凍庫(倉庫面積2791㎡)はマイナス25℃での保管が可能。冷蔵庫(2789㎡)はマイナス5℃~5℃に設定でき、農畜産物の鮮度を維持した保管に適している。低温庫(7975㎡)は主に玄米・大豆などの農産物保管に活用する。省エネルギー型自然冷媒装置を採用するとともに、屋根には太陽光発電設備を設置して環境負荷低減を図る。また、電気乗用車1台を導入する。

「8号倉庫兼新事務所棟」は延床面積2121㎡で建物はRCSS構造・3階建て。倉庫面積は3193㎡、事務所面積は1712㎡。事務所は約100人が快適に働けるレイアウトとした。本年9月から本社機能の一部を移管することとしている。
(2023年5月2日号)


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