メニュー

JR貨物の新社長に犬飼氏、新旧社長が会見

2022.06.28

JR貨物(本社・東京都渋谷区)は24日に開かれた定時株主総会およびその後の取締役会で、新社長に犬飼新・取締役兼常務執行役員を選任した。真貝康一社長は代表取締役会長に就いた。

同日、新旧社長が本社内で会見し、新たに社長に就任した犬飼氏(写真右)は「コロナの影響などで運輸収入が減少するなど厳しい時期ではあるが、環境に優れた貨物鉄道の特性を活かせるよう力を尽くす」と抱負を述べた。また、コンテナ集配面を支える利用運送事業者との連携がより重要になるとの認識を示し「強固な関係構築に先頭に立っていきたい」と語ったほか、レールゲートなど物流施設を中心とした総合物流企業への進化を着実に進める考えを示し、「単なる倉庫賃貸だけではなく、鉄道との相乗効果をさらに出していきたい」と述べた。

青函トンネルの共用走行問題や線路使用料の見直しなどの課題については「これから難しい局面を迎える」との認識を示した上で、「ただ、基本は貨物鉄道輸送が社会に必要とされることが大前提となる。そのために、BCP対策の深度化や使いやすいサービスなどに力を入れ、貨物鉄道の全国ネットワークを守っていきたい」語った。

会長に就任した真貝氏(写真左)は「社員の9割がJR入社となる中で、いかにスムーズに次のJR世代にバトンタッチしていくかを考えた」と社長交代を決断した理由を述べた。また、18年6月から4年間の社長在任期間を振り返り、「長期的な観点からJR貨物グル―プの目指すべき姿を定める取り組みを進めてきた」とした上で、①ブランドメッセージと企業理念の刷新②中期経営計画③新人事制度――の3つを19年4月から同時にスタートできたことを、自身の成果として挙げた。さらに、コロナや自然災害など厳しい経営環境だった中でも「将来に向けた成長戦略投資を計画通りに進めることができた」点を強調した。
犬飼社長の略歴は次の通り。

犬飼 新(いぬかい・しん)
1985年早大教育卒、同年間組(現・安藤ハザマ)入社。2003年JR貨物入社。関西支社広島支店長、ロジスティクス本部コンテナ品質管理部長、北海道支社長などを経て、2015年6月執行役員関東支社長、17年6月取締役兼執行役員ロジスティクス本部営業統括部長、18年6月取締役兼常務執行役員鉄道ロジスティクス本部長兼営業統括部長、20年6月取締役兼常務執行役員経営統括本部長、22年6月現職。1959年10月6日生まれ、62歳。

 ▼定時株主総会を開催
JR貨物は24日午前10時から本社内で第35回定時株主総会を開催した。総会には株主として独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の河内隆理事長が出席。2021年度の事業報告および計算書類の報告ののち、取締役と監査役が選任された。
(2022年6月28日号)


関連記事一覧