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ズームアップ 夏ダイヤ、成田・関空で貨物増便

2018.03.29

主要空港の2018年夏ダイヤが発表され、成田国際空港と関西国際空港では国際線貨物定期便ネットワークがさらに拡充する。
18年夏ダイヤにおける成田空港の国際線貨物定期便就航数は、週間発着回数ベースで17年冬ダイヤから7回、17年夏ダイヤから28回増えた503回となる。就航する航空会社は18社で、うち11社が貨物専用航空会社。16年4月以来の復活となるマレーシア航空が週2便を運航するほか、3月28日からはカーゴルックス航空が週1便、B747‐8F機を使用してルクセンブルク線を就航する。また、全日本空輸やアトラスエアも17年冬ダイヤから増便。一方で、日本貨物航空は週1便を減便し、カーゴルックスイタリアは撤退する。
関西空港の国際線貨物定期便は、昨年12月からシルクウエイ・ウエスト・エアラインズがバクー線を週1便運航。今年1月にはルフトハンザ・カーゴがフランクフルト線を週2便就航するとともに、カーゴルックスイタリアもミラノ線を週2便から週3便へ増やす。各路線とも、夏ダイヤで引き続き運航されるとともに、フェデラルエクスプレスが新たに5便を、中国貨運航空が3便を増便する計画にある。
中部空港の18年夏ダイヤにおける国際線貨物定期便は17年冬ダイヤと変わらず週25便を運航する。

主要空港の貨物取扱量も好調に推移

貨物定期便の増便は、好調な航空貨物市況を受けてのもの。1月に関空~フランクフルト線を復活したルフトハンザ・カーゴのフランク・ネーフェ・アジア太平洋地区担当副社長は同月の会見で、「17年は大阪の産業界から強い輸送需要があり、4年前の撤退時とは状況が変わった」と貨物需要の力強さを強調した。

主要空港における17年4月~18年2月の国際貨物取扱量実績も好調に推移。成田空港では前年同期比7%増の207万7551tとなり、とくに輸出量は14%増の63万1016tと伸長した。関西空港でも14%成長の76万tを達成し、年度計では05年度以来12年振りに80万tを超える見通しとなった。同空港の貨物量は16ヵ月連続で前年比2ケタ増を続けており、貿易額は過去最高の15年度実績を超える見込みという。中部空港も9%増の16万3425tで、とくに積込みは14%増の8万8866tと好調だ。

各空港では今後も継続的な貨物誘致策に取り組む考え。成田空港では引き続き、半導体や自動車関連産業の旺盛な輸送ニーズが見込まれるほか、電装化関連品を始めとする新たな貨物も期待する。関西空港では貨物ビジネスの需要拡大に向けて、医薬品輸送や「IATA CEIVファーマ認証」の取得など、施設とサービスの向上を戦略に打ち出す。中部空港でも、自動車や航空機産業といった後背地の輸送需要を獲得するとともに、東海地域で盛んな第一次産品の輸出拡大などに取り組む。

航空貨物市場の動向は伸び率こそ鈍化しつつあるものの、業界では「当面はこの好調さが続く」との見方が強い。
(2018年3月29日号)


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