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【物流・運賃】コスト構成の共通理解を=国交省・奥田自動車局長会見

2018.01.30

国土交通省の奥田哲也自動車局長は25日に専門紙記者と会見し、トラック事業のコスト構成について荷主と事業者が共通理解を持つことの重要性を指摘し、標準的な運賃構成を示す手引きの策定をできるだけ早くに行うと語った。また、罰則付き時間外労働上限規制の適用が、中小企業では法施行後1年間猶予されるという一部報道について「トラック運送業は法施行後5年間猶予されるという方向にあり、5年間プラス1年間で6年猶予されるとは認識していない」と述べた。奥田局長の会見趣旨は次の通り。

荷主・事業者の共通理解が必要

これまで4回にわたって開催した「トラック運送業の適正運賃・料金検討会」での議論を踏まえ、運送の対価である運賃と運送以外の役務の対価である料金の区別を明確化し、別建て収受を可能とするように昨年11月に標準貨物自動車運送約款を改正した。1月19日現在では事業者の35%が改正標準約款の届け出を行っており、まだ率としては低いと認識している。その要因としては荷主の理解が進んでいないことも考えられるのではないか。
事業者が適正な運賃を得られなければ、車両の購入・整備をはじめ、ドライバー確保、燃料費などのコストをまかなえない。運行の安全に支障をきたし、安定的な輸送サービス提供も難しくなる。
今後は事業者による適正運賃・料金の収受をさらに後押しする。年度内に開催する第5回検討会において、持続可能な事業運営とドライバーの確保育成、生産性向上を図っていくために必要な事業運営のコスト構成や、その主要な費目の標準的水準イメージを示す。さらに、それらを尊重することの必要性について、荷主と事業者が共通した理解を持つことを促進するための手引きの策定や環境整備など必要な方策を検討する。できるだけ早い時期に検討結果を出したい。

長時間労働是正の行動計画策定

昨年8月に開催した自動車運送事業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議において、長時間労働是正に向け、直ちに取り組むべき63の施策を策定した。国交省をはじめ、経産省、農水省、警察庁などと連携し、施策に取り組んでいく。今春ごろには、施策の具体化のための行動計画を政府として策定する。また業界団体に向けても、石井大臣が長時間労働抑制のアクションプランづくりをお願いしている。これらの計画に基づき、しっかりと施策を実施していく。
トラックの過労運転防止対策については、違反に対する処分量定を引上げることとしている。現在、対象とする具体的項目や処分量定の幅を鋭意検討中であり、来年度には新たな処分基準を適用する考えだ。
労基法改正による罰則付きの時間外労働上限規制が、中小企業では1年間猶予されるという新聞報道を見たが、トラック運送業は5年の猶予が認められている。さらに猶予を重ねて、5年プラス1年で6年も猶予されるとは認識していない。

隊列走行に期待

23日から新東名高速道路で後続車有人の形での隊列走行の実証実験を開始した。技術の検証を進め、後続車無人車両による隊列走行の事業化を目指していく。3台のトラックを1人のドライバーで運行できるため、生産性向上に有効な取り組みだ。経産省と連携しつつ、積極的に取り組んでいるところだ。

安全・安心が基本中の基本

2018年度の自動車関係の予算は、安全・安心の確保と環境対策、働き方改革につながる生産性向上、交通事故被害者の救済という3つを主要な柱としている。働き方改革については長時間労働の是正に関連し、1・6億円の予算だが、これは前年度の1・94倍となっており、トラック運送事業の働き方改革推進に向けた経費を盛り込んだ。税制についても、先進安全技術を活用した車線逸脱装置の導入支援を新たに設けるなど、安全対策の強化を図っている。自動車行政では、なによりも安全・安心の確保が基本中の基本となる。
(2018年1月30日号)


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