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自民・物流倉庫議連/総会、倉庫は荷役料の〝しわ寄せ〟拒否

2024.06.04

自民党の物流倉庫振興推進議員連盟(会長=浜田靖一衆院議員)は5月29日、党本部で第20回総会を開催した。日本倉庫協会(日倉協、久保高信会長)、日本冷蔵倉庫協会(日冷倉協、浜田晋吾会長)、全国定温倉庫協同組合(定倉協、太宰榮一理事長)の業界3団体が出席し要望を行った。物流の「2024年問題」への対応により倉庫業界に不当なしわ寄せが来ることのないよう配慮を求めたほか、コスト上昇分の円滑な転嫁の促進や、2025年度の予算措置、今年度末で期限切れとなる中小企業投資促進税制や中小企業経営強化税制、地域未来投資促進税制など倉庫税制の延長を訴えた。

日倉協の久保会長は、トラックドライバーの荷待ち時間削減など物流の効率化に業界として協力するが「結果的に倉庫業界にしわ寄せが来ないように配慮を願う」と述べ、具体的には、①物流総合効率化法に基づき荷主が作成する中長期計画においてリードタイムの延長やオーダーカットの前日化、物流の平準化などを計画認定の基準に加えること②ドライバーがサービスで行っていた荷役作業を倉庫業者が肩代わりする場合、荷主に対して適正な対価を支払うよう指導すること③一貫パレチゼーションを推進する場合、その費用負担について立場の弱い倉庫会社に不当な負担が強いられないよう配慮すること――などの必要性を力説。

日冷倉協の浜田会長は、25年度予算での脱フロン・脱炭素化に向けた自然冷媒の導入補助事業の継続と補助率引き上げや、非常用電源装置の導入などサステナブル倉庫モデル促進事業の継続と予算増額を要望したほか、電力の安定供給と電力価格の安定策を推進するよう求めた。

定倉協の太宰理事長は、備蓄米の保管業務での電気代高騰や物価上昇によるコスト増の価格転嫁について行政の取り組みを要望。「保管コストの実態を考慮し、適正な保管量水準の実現をお願いする」と述べた。加えて「2024年問題」による様々な課題に対応したルールづくりや「一貫パレチゼーションの導入時にレンタルパレットを利用する場合、倉庫会社に不当に利用料を押し付けず、荷主が適切に負担する」ことを要望した。

議連は3団体のすべての要望を受けとめ、「2024年問題」による物流効率化の結果、倉庫業界に不利が強いられることのないよう配慮することや、来年度の予算措置や倉庫税制の延長、価格転嫁と取引適正化の推進、外国人材の活用促進、電力の安定供給と価格安定、政府米の保管料水準の適正化を政府に要請することを決議した。加えて、物流効率化に向けて物流GX・DXの推進を後押しするための支援措置や、災害対応力の強化に必要な非常用電源装置の導入に対する支援措置を行うよう要請していく。
(2024年6月4日号)


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