鴻池運輸/NLJ、ダブル連結トラックを東西拠点に導入
鴻池運輸(本社・大阪市中央区、鴻池忠彦社長)とNEXT Logistics Japan(NLJ、本社・東京都新宿区、梅村幸生社長)は21日、25mダブル連結トラックを2台導入し、出発式を鴻池運輸の北関東流通センター営業所(群馬県千代田町)で開催した。「2024年問題」に対応する物流効率化に向けて、1台で大型トラック2台分を運べる連結トラックの導入による大量輸送を実現するほか、中継地でのドライバー交代により、労務負担を軽減する。
今回導入した車両は、全長25m、高さ3・8m。鴻池運輸として初のダブル連結トラックの導入となり、北関東流通センター営業所と京都城陽配送センター営業所(京都府城陽市)に各1台ずつ導入し、まずは各台1日1便を日中に運行する。実運送は27日から。
それぞれの拠点から出発したダブル連結トラックは、中継拠点となる新東名高速道路「清水PA」で合流し、ドライバーを交代する。これにより、従来なら1泊2日を要していた長距離輸送で、ドライバーは日帰り運行が可能となる。また、CO2排出量は年間で約32%削減を見込む。
出発式では、関係者が見守る中、実際にダブル連結トラックを運転するデモンストレーションや記念撮影が行われたほか、運転を担当するドライバーに花束が贈られた。冒頭、挨拶に立ったNLJの梅村社長は「4月からの法改正により、物流業界の人手不足が注目を集めるようになった。輸送力の不足で荷物を届けられないということは絶対に避けなければならない」と強調。今回の取り組みについて、「物流課題を乗り越えるためには生産性を上げる必要があり、そのために鴻池運輸とダブル連結トラック導入に向けて協議を進めてきた。両社で想いをひとつにして、取り組みを前に進めていくことで、物流課題解決の第1歩につなげていく」と意欲を示した。
中継拠点となる「清水PA」にはドライバーを交代するための占有スペースはないものの、スペース予約を利用するほか、空いていない場合は前後にある別のPAの使用なども検討する。輸送する荷物の種類については、当面は飲料品のみとするものの「ゆくゆくは異業種との混載も進めることで積載率を上げていく」(梅村氏)と述べた。また、NLJが展開する物流最適化ソリューションシステム「NeLOSS(ネロス)」との連携についても検討を進めていく方針。
なお、鴻池運輸とNLJでは6月末をメドに、他の運行区間でもダブル連結トラックをさらに2台、追加で導入する予定にある。中間地点となる静岡県内の拠点に配備し、静岡~関東、静岡~関西での運行を計画する。
(2024年5月28日号)