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ニチレイロジG本社、「SULS」拡充へ新路線開通

2024.05.23

ニチレイロジグループ本社(本社・東京都千代田区区、嶋本和訓社長)は今期、次世代輸配送システム「SULS(サルス)」の路線拡大や共同配送の拡充で冷凍食品向けの物流プラットフォーム(PF)を強化する。さらに、リテール(TC)事業でもセンター納品サービスを高度化し、「NL+Link(エヌエルリンク)」とネーミングして拡販する。20日に開かれた「2023年度事業報告会」で嶋本社長(写真)が発表したもので、同氏は「『2024問題』の本番を迎えた今年度は大きな環境変化に適切に対応することが重要」とした。

SULSは低温トレーラを用いることで中継折り返し運送を可能とした新たな輸配送システム。今期は、中継拠点となるGW(ゲートウェイ)を、他社アセットを活用することで北関東に新設し、先月から同所と仙台を結ぶ新路線を開通した。さらに、上期中には新潟路線もスタートさせる。既存の厚木GWでも、今月13日に静岡路線を開通。嶋本氏は「他社アセットを効果的に活用しながら、着実に路線の拡大を進めている」と進捗を報告した。

その上で、今後は東名阪を中心に取扱量を増やし、トレーラを今期15本追加導入して計50本体制とする。併せて、全国各地に所在する工場やマザーデポの幹線輸送にもSULSを活用。一方で、現在は首都圏発の下り貨物が多いことから、西日本発の上り貨物の集荷を進め、車両の運用効率も高める。

チルド商品のTC運営などを担うリテール事業では東北地域で「NL+Link」を開始。同地域ではこれまで、12ヵ所のTC拠点で納品ベンダーの輸送を受託してきたが、「NL+Link」はこのサービスを強化し、他社運営拠点を含めた東北地域のすべての拠点への納品に対応する。実現に向けて、他社および協力会社の施設を活用しながら納品対応拠点数の増加と付随する新規輸配送網を構築。一部の基幹拠点には在庫を持つことで、より効率的かつ安定的なサービスを提供する。関東、西日本、全国にも順次展開し、「2024年問題」で小売センターへの納品車両確保が課題となる卸やメーカーを支援する。

国内事業ではこのほか、データドリブン運営に向けて今期はモデル拠点での可視化・業務プロセスの標準化を進めるとともにR&Dセンターを設置。現場運営における人財育成も強化する。嶋本氏は「いずれも次期中計の足掛かりとなる大変重要な施策であり、着実な進捗を目指す」とした。

ポーランド、ベトナムで大型冷蔵倉庫新設

海外では、欧州事業で主力の港湾ビジネスの強化を図り、今年1月にオランダと英国の事業会社を再編。新体制の下、グループシナジーの最大化を図る。また、ポーランドではワルシャワで設備能力4・2万tの大型冷蔵倉庫を開設するとともに、ズニンの既存冷蔵倉庫に同2万tの増設棟を開設し、国内の設備能力を14万tまで拡大。同国では大手小売チェーン向けの冷凍物流で圧倒的なシェアを保持するが、近年では川上顧客からの物流ニーズも高まっており、旺盛な保管運送ニーズを着実に取り込む。

アジア事業では今年7月にベトナム・ロンアン省で3温度帯センター(設備能力約4・2万t)を開設予定。現地企業や日系の食品メーカー・卸をターゲットとし、ベトナム南部に所在する工場向けの旺盛な保管需要が見込まれるという。さらに来春にはタイ・バンコク北部でも冷蔵倉庫(同3・3万t)を新設する計画。新拠点の開設により北部エリアへの配送効率を高めるとともに、バンコク東部の既存冷蔵倉庫ではハラル認証を取得しており、両拠点間でネットワークを構築することにより保管、運送のワンストップサービスを展開する。

25年3月期の業績予想は、売上高2740億円(前期比6・5%増)、営業利益170億円(7・4%増)を見込む。中期経営計画最終年度に当たるが、いずれの目標値も当初計画を上回っており、嶋本氏は「事業環境の変化による各種コスト上昇の影響が継続すると捉えるが集荷拡大や欧州・関東での組織再編によるシナジー創出などで目標達成を目指す」と意欲を示した。
(2024年5月23日号)


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