ダイフク、マザー工場「滋賀事業所」の再編に着手
ダイフク(本社・大阪市西淀川区、下代博社長)は、同社のマザー工場である滋賀事業所(滋賀県日野町)で生産能力の増強、工場内物流の最適化などを目的とした再編を開始した。その第1弾として、事業所内に2つの工場棟(G棟、M棟)の建設を決定し、11日に起工式を実施した。
近年、eコマースや半導体関連を中心に設備投資が旺盛となる中、滋賀事業所での生産量が増加し、部品や製品を保管するために外部倉庫を賃借することで物流効率の低下などが課題となっていた。そこでダイフクは、2028年までを目途に約330億円を投じて同事業所の生産能力を1・4倍に拡大させるとともに、外部倉庫を事業所内に取り込むことで、物流効率化や老朽化した設備の改修によるBCP対応を進めていく。
今回着工したG棟(写真)はクリーンルームを備え、これまで分散していた半導体・液晶生産ライン向けの保管・搬送システムの開発や製造機能を集約。延床面積2万1300㎡(工場1万7800㎡、事務所3500㎡)で25年の完成を予定する。
M棟は一般製造業・流通業向けのアフターサービス用の保守部品を管理するパーツセンターと、無人搬送車の製造やコンベヤシステムの組み立てなどの機能を有する。延床面積1万9900㎡(工場1万6500㎡、事務所・食堂3400㎡)で25年5月の完成予定。両棟とも太陽光発電システムを設置し、事業所内で使用する電力の一部をまかなっていく。
ダイフクは、70年に敷地面積120万㎡の用地を取得して滋賀事業所の造成を開始し、〝広大な自然に恵まれた環境で、人間性豊かな生産性の高い工場をつくろう〟という「インダストリアルパーク構想」を進めてきた。今回の新棟建設は06年に一般製造業・流通業務向けシステムを取り扱うK棟・L棟が完成して以来、18年ぶりとなる大規模な開発となる。
(2024年4月18日号)