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メルカリ/SBS即配/三菱商事、置き配専用「エコメルカリ便」

2024.04.02

メルカリ(本社・東京都港区、山田進太郎代表取締役CEO)は3月28日、SBS即配サポート(本社・東京都江東区、鎌田正彦代表取締役)と連携し、三菱商事(本社・東京都千代田区、中西勝也社長)の非対面発送サービス「SMARI(スマリ)」を利用した置き配専用の配送サービス「エコメルカリ便」を開始した。置き配に特化することで再配達削減を推進し、ドライバーの労働時間削減に寄与する。東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の1都3県で開始し、今後は夏ごろをメドに対象エリアを名古屋や大阪にも拡大する予定。

再配達削減と環境負荷低減に寄与

「エコメルカリ便」は、出品者が「メルカリ」で落札された商品を、ローソンや駅に設置された「SMARI」専用の配送ボックス「スマリボックス」から、置き配指定で発送できるサービス。「メルカリ」の発送で利用頻度の高い100サイズ(100㎝)まで、重量は10㎏までの配送に対応し、送料は一律730円(税込)となる。置き配のみの受け取りであることから、再配達の削減につながる。

利用者は100サイズまでであれば、一律の送料で送れるため、サイズに応じた梱包資材を買わずに、手元にある資材で送れるようになる。これにより、梱包資材の削減で環境負荷も低減できるほか、サイズから送料を調べる必要もなくなる。メルカリでは、1都3県での「エコメルカリ便」の利用による再配達の削減で、配達員の労働時間は年間2万4360時間相当、CO2排出量は年間約69tの削減が見込めるという。

今回の取り組みでは、三菱商事がローソンへ商品を納品した際の空車となった戻り便などで「スマリボックス」内の荷物を集荷して倉庫へ運ぶ。SBS即配サービスがその荷物を倉庫から荷受けし、受取人のもとへ配送する。

新サービスはまず1都3県での提供開始となるが、今夏をメドに名古屋や大阪にも対象エリアを拡大する。併せて、対応する荷物のサイズの拡大も図る。今後は、既存サービスの「らくらくメルカリ便」「ゆうゆうメルカリ便」でも置き配を初期設定とする予定。加えて、玄関先などに荷物を置いて発送できる新サービス「置き発送」の仕組みを構築していく計画にある。

カルチャーの変化で「置き配受け取りを当たり前に」

メルカリ本社で開催されたサービス発表会で、執行役員VP of Business Development/Logisticsの進藤智之氏は「メルカリ利用者に『発送時の課題』についてアンケートを取ったところ、送料を抑えるために梱包サイズを小さくしたり、送料を考慮して販売価格を決めたりすることが手間だと感じている利用者が多かった。今回のサービスはこれらの課題の解決につながることに加え、物流業界のドライバー不足といった社会課題や環境配慮も実現するものだ」と語った。

また、執行役SVP of Japan Region兼CEO Marketplaceの山本真人氏は新サービス開始の背景について、現在、全国の宅配便取扱個数の5~10%がメルカリ関連の荷物であるほか、コンビニ発送のうち約80%がメルカリで出品された荷物の発送であると説明。「当社が成長するとともに物流業界に与えている影響も大きくなっており、持続可能な配送サービスを構築する必要があった」としたうえで「メルカリの利用者が置き配による受け取りを当たり前にしたり、発送時に資材を買わずに済むといったように、カルチャーの変化を起こさないことには業界全体の変化を起こせないと考えた」と語った。

また、SBS即配サポート配送事業本部の前田光治執行役員が、再配達の増加による物流業界への影響について説明。「今回の新サービスで効率的な配達が実現し、労働力が最適化される。また、SBSグループではEV車両の導入を積極的に推進していることから、新サービスと掛け合わせることでさらなる環境負荷低減が期待できる」と述べた。
(2024年4月2日号)


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