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三菱倉庫、GHG排出量算定システムを提供開始

2024.02.08

三菱倉庫(本社・東京都中央区、斉藤秀親社長)は、顧客のグローバルサプライチェーン全体のGHG(温室効果ガス)排出量の可視化と、貨物輸送ルート検索を同時に実現するシステム「Emission Monitoring Cargo Route Finder」を開発し、5日から提供を開始した。同システムはAmazon Web Services,Inc.(AWS社)の協力を得て開発したもの。

出発地・到着地・物量を入力すると、現実的な船舶・航空機・鉄道などの貨物輸送ルートを複数提案するとともに、それぞれの輸送に係るGHG排出量を自動的に算定する。複数の輸送方法とそれぞれのGHG排出量を比較検討できるほか、貨物輸送ルートの検索エンジン単体としても使用することができる。

入力した出発地・到着地から膨大な量の組み合わせを検討して輸送ルートの候補を作成し、輸送日数・距離・GHG排出量などを計算。ルート候補については、輸送モード、積港・揚港の組み合わせ、直行便・経由便などを考慮し、現実的で最適な輸送ルートを複数提示する。船・フライトスケジュールを定期更新するほか、直線距離ではなく実態に即した距離計算を行うため、非現実的なルートを自動的に除外する。

また、特許を取得した独自のルート計算機能により、複数の輸送方法(ルート・手段)とそれぞれのGHG排出量を比較検討することが可能で、一覧画面では距離や想定輸送日数なども表示される。さらに、詳細画面では地図表示もあり、輸送ルートの違いが視覚的にも容易に確認できる。

このほか、GHGは、CO2だけでなくNOXやSOX、CO2eの算出が可能で、日本やEU・米国/カリフォルニア州のCO2排出権マーケット金額のほか、ガソリンや電力量など身近な指標に換算した数値も表示することで排出量をイメージしやすくしている。

三菱倉庫では、気候変動への取り組みがグローバルサプライチェーンを維持するうえで不可欠となっていることや、顧客からGHG排出量の可視化と削減提案への強い要望があったことを受け、クラウドサービスの主要プレーヤーでありAI等の先端技術にも知見のあるAWS社をパートナーとして2022年10月から開発に着手した。

同社ではEmission Monitoringを国際輸送デジタルプラットフォーム開発の第1弾と位置付けており、今後は次期デジタルプラットフォームとの連携により、Emission Monitoringで複数輸送ルートを比較検討後、そのまま運賃見積もりや予約が可能となる機能を実装する予定。さらに、顧客の検索傾向を分析することで、より関心の高いルートを表示するなど、ルート検索機能を強化していくとしている。
(2024年2月8日号)


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