化学品WG、「24年問題」対応へ自主行動計画
化学メーカーや化学品関連の物流企業が参画する「フィジカルインターネット実現会議」に設置した「化学品ワーキンググループ」(座長=矢野裕児・流通経済大学教授)は20日、物流の「2024年問題」に対応する自主行動計画を策定した。今回策定した自主行動計画をもとに、日本化学工業協会、石油化学工業協会など化学業界団体レベルでの自主行動計画策定に向けて協議する予定。また、年明け以降は化学品の取引先業界団体へ各施策の実施に向けて協力要請を行うとしている。現在、日本鉄鋼連盟との意見交換を進めており、連携を図ることで合意している。
同計画は政府が6月に取りまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」の方針を踏まえもの。政策パッケージと同時に経済産業省、農林水産省、国土交通省の3省が策定した荷主と物流事業者を対象とした物流改善ガイドラインに盛り込まれた荷主の実施する13項目を中心に、荷主と物流事業者が協力して取り組む内容とした。
また、自主行動計画の各施策をより具体的な取り組みに落とし込んだ2030年までのアクションプランを作成し、短期・中長期の活動計画を定めることとしている。
通行規制緩和やモーダルシフト拡大支援も要請
法規制の緩和や新たな制度導入を政府・関係省庁に要望するなどガイドラインには含まれない取り組みも掲げた。要請項目は各社共通と陸送・倉庫保管・港湾など分野別に分けた。
共通項目は、外国人労働者の雇用確保に向けた法改正や全国一律の判断基準で適用される運用体制の導入。陸送関係では、特殊車両の通行制限(申請)の緩和、危険物の通行規制緩和の検討、車格を見直すことで車両幅や積載重量の増大を図り、パレットの積載効率の向上を図ることや、モーダルシフトやモーダルコンビネーションを拡大するため、運賃補助や設備導入への補助などを要望する。倉庫保管では、ドラム缶を危険物倉庫で保管する際の高さ制限の緩和、港湾関係ではコンテナヤードの新たな法規制の整備として消防法、高圧ガス保安法、毒劇法などの国内法令ではなく、船舶安全法(危規則)をコンテナヤードに準用する形で運用できるように法改正を要望する。
(2023年12月26日号)