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物流連/モーダルシフト大賞、佐川急便と全国通運が大賞

2023.11.16

日本物流団体連合会(物流連、真貝康一会長)は10日、2023年度「モーダルシフト取り組み優良事業者公表・表彰制度」の受賞者を発表した。モーダルシフト最優良事業者賞(大賞)には、佐川急便による「飛脚JR貨物コンテナ便」と全国通運による「卸売業者と複数の小売業者の連携による鉄道貨物へのモーダルシフト」が受賞した。大賞に2社が選定されるのは7年ぶりとなる。

モーダルシフト最優良事業者選定委員会(委員長・竹内健蔵東京女子大学教授)が各社の取り組みを審議し、受賞案件を選出。大賞以外の各部門では、優良事業者賞の実行部門に山九、日本通運、新規開拓部門にSBS東芝ロジスティクス、NRS、タイセイ、日本通運、有効活用部門に山九、丸和通運が選ばれた。表彰式は21日に東京プリンスホテルで開催される。

SD2万6千人の営業で鉄道輸送の販路拡大

佐川急便では、宅配便で取り扱いが困難な大型荷物の輸送や大量の荷物の一括輸送を鉄道輸送に切り替えることで、顧客に安定的に提供できる輸送サービス「飛脚JR貨物コンテナ便」を構築。ビルや狭路など鉄道コンテナ専用トラックが進入できない場所では、通常のトラック輸送で集荷し、貨物駅近隣の同社営業所や貨物駅構内の積替ステーションでコンテナに積み替える。このサービスでは、12ftコンテナを扱う全国125駅の鉄道貨物駅(このうち積替ステーションは16駅)を利用する。

この取り組みでは、全国約2万6000人のセールスドライバーが、トラックに加えて鉄道コンテナ1個単位の貸切営業も行う。鉄道を利用したことがない中小企業を含め、様々な客層へ販路を拡大し、受注数はサービス開始から1年間で数千件に達した。12ftコンテナに荷物が積みきれない場合でも、飛脚宅配便とのコンビネーションにより柔軟な輸送が可能。鉄道シフトにより、各輸送におけるCO2排出量を80%以上削減した。環境負荷低減と、安定的で持続可能な輸送を実現したことが高く評価された。

卸売や複数の小売と連携し、小口貨物の集約・鉄道シフト

全国通運は、卸売業者と複数の小売業者と連携し、小口貨物輸送の鉄道シフトで受賞。 従来はトラック輸送していた各小売業者向けの小口配送の商品を集約して鉄道輸送する。これにより、個々の小売業者では利用が難しかった鉄道輸送が可能となり、鉄道輸送を行っていなかった商品の鉄道輸送を実現した。

この取り組みでは、小売業者各社がそれぞれ調達し、受注のたびに個別で少量配送していた輸送を、複数の小売業者が協議会を作って互いに物流・商流をデータ化することで配送を〝見える化〟し、集約配送できるように調整。卸売業者のシジシージャパンが主体となって全国の産地から12ftコンテナに商品を積載し、全国の加盟企業に発送する。加えて、スーパーの店頭ではPOPを利用して、鉄道輸送による商品調達を消費者にアピールした。環境負荷低減だけでなく、農林水産物・食品などにおける強靭な物流ネットワークを構築した取り組みとして評価された。
(2023年11月16日号)


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