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「ZOZOBASEつくば3」が本格稼働=ZOZO

2023.10.31

ZOZO(本社・千葉市稲毛区、澤田宏太郎社長)は25日、2月に竣工した物流拠点「ZOZOBASEつくば3」(茨城県つくば市、写真)が11月から本格稼働するにあたり、拠点内部をメディアに公開した。同拠点では国内初導入となる機器をはじめ多くの自動化設備を採用し、省人化を推進。今後は既存拠点のリプレースに合わせて、「つくば3」で採用した自動化機器を他拠点にも展開していくことを検討するとともに、リードタイム延長も視野に、配送会社のヤマト運輸と連携して「2024年問題」への対応を進めていくとしている。

「つくば3」はプロロジスがZOZO専用に開発したBTS型施設で、延床面積約13万7000㎡の5階建て。ZOZOの物流拠点「ZOZOBASE」としては5拠点目となり、つくば市内では3拠点目となる。既存拠点と比較して約4倍となる約100億円の設備投資により、庫内業務の自動化を徹底。他拠点と比較して約30%の人員削減につなげる。1時間あたり約1万件の発送能力を備えているほか、同拠点の稼働によって「ZOZOBASE」全体の保管能力を約1・3倍に引き上げる。

「24年問題」対応へ、リードタイム延長も検討

説明会に出席した田代将広執行役員は、「つくば3」の立地について「つくば市内に物流拠点を集中的に設けることで、拠点間の連携効率を高めた」と説明。「ZOZOBASE」の今後の展開として、既存拠点をリプレースする際には庫内業務の自動化をさらに進めていく方針にあり、「つくば3」で採用した自動化機器の他拠点への展開に関しては、実績を踏まえたうえで導入可能な機器から積極的に採用していく。また、人手による作業のさらなる自動化を進めるため、業務内容に適したアーム式ロボットの導入を検討していると述べた。

同社は配達における初期設定を「置き配」にすることで再配達の削減を図るなど、「2024年問題」対応に向けてドライバーの労働時間削減に努めている。今後はZOZOの配送を担うヤマト運輸と連携して、幹線輸送での積載効率の向上に努めるほか、ヤマトが自社拠点で使用している仕分け用ソーターと同じ機種を「つくば3」の出荷場に設けたことで、同社の輸送効率向上に貢献。また、つくば市エリアでの拠点増設により入荷能力が向上し、エリア内でのトラックの荷待ち時間削減につながるとした。このほか、配送日に余裕を持たせるなどリードタイムの延長も検討する予定にあり、「延長にあたっては消費者の理解が不可欠となる。他社の成功事例を参考にしながら、いずれはモーダルシフトの推進にもつなげていきたい」と述べた。

吊り下げ式の自動仕分けシステムを国内で初導入

「つくば3」では、ブランドやメーカーから入荷した商品は5階で検品を終えた後、フロア内に約500基あるプラスオートメーション製の自動仕分けロボット「t‐Sort」によってコンテナへ商品別に仕分けられ、コンベアで保管エリアへと自動搬送される。コンベアは1階~5階をつなぐスパイラルコンベアを採用した。

出庫時には、注文を受けた商品を保管棚からピッキングし、コンテナに入れてコンベアで2階へ搬送。2階には約5000個のコンテナを一時保管できる「シャトル&サーバ」があり、管理システムによって出荷の優先度が高い順に自動分別する。その後、商品は1階の出荷エリアに運ばれ、仕分けや梱包を経て出荷される。

複数注文を受けた商品の場合は、出荷エリアに設けた吊り下げ式の自動仕分けシステム「ポケットソーター」のポケットに商品を1点ずつ投入し、商品はレーンを走行しながら仕分けられ、配送先別に揃えられた状態で梱包エリアへ届けられる。「ポケットソーター」は豊田自動織機のオランダ子会社Vanderlande製で、国内では初導入。約2万6000個のポケットを備え、1時間で約1万5000点の仕分けを可能とする。梱包した商品は自動封函機で封函して出荷される。
(2023年10月31日号)


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