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ONEジャパン、内陸CY活用し「24年問題」に対応

2023.07.18

オーシャン ネットワーク エクスプレス ジャパン(ONEジャパン、本社・東京都港区、中井拓志社長)は、茨城県坂東市の「インランドコンテナヤード(坂東CY、写真)」を活用し、海上コンテナ輸送の効率化と環境負荷軽減を加速させる。北関東や南東北の荷主は、京浜港のCYとの往復に要する走行時間、距離の大幅な合理化が可能になり、トラックドライバーの労働時間規制が厳しくなる「2024年問題」にも対応できる。8月からは、坂東CYへの輸入キャンペーンレートを再開し、内陸CYサービスの浸透を図る。

ドライバーの働き方改革に貢献

ONEジャパンは昨年8月1日に坂東CYを開設。従来から、空コンテナのピックアップ、返却の拠点「内陸デポ」として運用していたが、「内陸CY」とすることで、坂東CY発着の船荷証券(B/L)の発行が可能になった。

坂東CYは吉田運送(本社・茨城県坂東市、吉田孝美代表取締役)が運営し、コンテナ収容能力は1400TEU(700FEU)。リーチスタッカー2台、空コンテナ専用トップリフター1台を配備し、保税蔵置場機能を備えている。

通常の海上コンテナ輸送では、輸出の場合、空コンテナを港頭地区のバンプールからピックアップし、工場や倉庫で荷物をコンテナに詰めた後、CYに搬入。輸入では、工場や倉庫で荷物を降ろし、空になったコンテナをCYまたは港頭地区のバンプールに返却する。

坂東CYを活用することで港頭地区との往復回数の減少や走行距離の短縮を図ることができ、京浜港の混雑を回避。ドライバーの働き方改革に貢献するとともに、輸送に伴うCO2排出量の削減といった環境負荷の低減にも寄与できる。

とくにメリットが見込まれるのが、北関東や南東北の荷主。坂東CYを中継拠点として、京浜港~坂東CY、坂東CY~工場・倉庫の輸送を分担することによって、ドライバー1人あたりの輸送効率を改善し、走行時間と距離を大幅に短縮できる。

8月から輸入キャンペーンレート再開

開設から1年が経過し、坂東CY受け輸出貨物の取り扱いが順調に増えている一方、坂東CY向け輸入貨物の集荷が課題となっている。そこで、8月1日から坂東CY向け輸入貨物の一部料率をキャンペーン価格に改定し、12月末まで継続を予定している。

具体的には、全航路を対象に現行は6万6000円の東京発坂東CY向け輸入貨物の料率を、20ftは4万円、40ft、40ftハイキューブは5万円とする。なお、横浜発坂東CY向け輸入貨物、坂東CY受け輸出貨物の料率は変更しない。

ONEジャパンでは「今後も坂東CYを関東地方北部、東部、東北方面のお客様と京浜港とを結ぶハブとして利用促進を目指す」とし、「2024年問題」を見据え、地方港や内航フィーダーサービスなどのサービスも充実させていく。

また、環境問題への対応の一環として昨年から、京浜間の輸送に従事する一部の海コン車両にリニューアブルディーゼル(RD)の利用を開始しており、ライフサイクルアセスメントベースで通常の軽油を利用した場合と比べて約90%のCO2排出量を削減。

今年度も引き続き効果を検証するとともに、持続可能な取り組みとするため、世界初のバイオマス、バイオエネルギーの認証制度ISCCの証明書をベースに、取り組みに賛同する顧客のCO2削減効果を分配する仕組みの構築を目指して、検討を進めていく。
(2023年7月18日号)


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