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日本郵便、ゆうパック基本運賃を平均10%値上げ

2023.06.13

日本郵便(本社・東京都千代田区、衣川和秀社長)は8日、10月1日からゆうパックの基本運賃を改定すると発表した。改定率はサイズや区間によっても異なるが、平均で約10%の値上げとなる。ゆうパックの運賃改定は、2018年3月以来、5年半ぶりとなる(消費税の引き上げによる改定は除く)。

今回の値上げは、燃料価格をはじめとする諸コストや人件費の上昇などを受け、将来にわたって安定的かつ高品質な物流サービスを提供し続けるために実施を決めた。値上げによる増収分は設備投資や人的投資に充てていくが、一部は中小企業庁から不適切と指摘されていた集配委託事業者への委託料引き上げにも充当していく。

値上げの概要は、ゆうパックの基本運賃を平均で約10%引き上げる。郵便・物流事業企画部の徳光歩部長は、改定率について「170サイズを除いて、競合最大手の運賃を上回らないようにした」と述べ、改定後も競合に比べて安価な基本運賃を維持する。一例で、関東~近畿の場合、60サイズが970円から990円に、100サイズが1440円から1620円に改定される(いずれも消費税込み)。

また、25~30㎏の荷物を対象とする「重量ゆうパック」は、改定後の基本運賃に560円を加算した額、「空港ゆうパック」は基本運賃に800円を加算した額に改定する。一部地域で提供している「観光ゆうパック」はスーツケース1個当たり1680円に引き上げる。

なお、ゆうパック全体のうち、基本運賃を適用した荷物の割合は「16~18%程度」(同)だという。日本郵便では今回の基本運賃の改定を受け、特約運賃を適用している法人顧客向けにも値上げ交渉を本格化していく。
(2023年6月13日号)


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