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宅配大手3社、22年度は微増にとどまる

2023.05.16

2022年度の宅配便大手3社(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便)の取扱個数の合計は前年度比1・0%増の46億7800万個となった。3社のうちヤマト運輸を除く2社は前年割れ。ヤマト運輸も取扱個数こそ前年を上回ったものの、伸び率は鈍化した。宅配便の取扱個数の伸びが低調な背景には、とくに昨秋以降、消費財を中心に商品価格の値上げが続き、通販需要が低調に推移していることが挙げられる。また、EC大手が自社配送に力を入れる中で、統計上には表れない〝隠れ宅配〟にシフトしていることも考えられそうだ。

3社のうち2社が前年実績を割り込む

22年度の大手3社合計の取扱個数は、46億7800万個となり、21年度比で1・0%増、個数ベースでは約4600万個の増加にとどまった。

20年度以降の大手3社の取扱個数を振り返ると、コロナ初年度だった20年度は在宅が増えたことによって通販需要が爆発的に増加。3社計で前年度比5億個増(12・4%増)を記録した。翌21年度はその反動減もあって伸び率自体は2・2%増にとどまったが、個数ベースでは前年比で約1億個の増加となった。

これに対し、22年度は伸び率が1%増の微増にとどまるとともに、3社のうち2社が前年割れになるなど成長が鈍化。その背景には資源高や原材料コストの高騰などを背景にした商品価格の値上げによって、EC需要が減速していることがあると考えられる。

各社の実績では、ヤマト運輸は唯一、前年度比2・8%増と前年を上回ったが、伸び率は鈍化。増加個数は21年の約1億8000万個から22年度は約6400万個と約3分の1まで減った。また、小型投函型商品「ネコポス」を除く宅急便・宅急便コンパクト、EAZYの22年度の取扱個数は1・9%増にとどまった。さらに、今年2月、3月の取扱個数は前年割れになるなど足元の実績は低調が続いている。

佐川急便の22年度の実績は0・7%減。昨年10月以降、6ヵ月連続で前年割れとなり、通期でも前年実績をわずかに下回った。日本郵便は0・8%減となり、21年度に引き続き2年連続でのマイナスとなった。

23年度は〝ゼロ成長〟にとどまるか…

宅配大手3社の取扱個数が伸び悩んでいる最大の要因は、物価上昇を背景にしたEC需要の一時的な低調にあることは間違いないものの、これに加えて、アマゾンをはじめとするEC大手が自社配送扱いを増やしていることの影響も考えられる。こうした実態は統計数値として表れないために詳細は不明だが、デリバリープロバイダが運んでいる「隠れ宅配」は確実に増えており、こうした状況が大手3社の実績に一定程度影響を及ぼしている。

今期(23年度)の取扱個数については、ヤマト、佐川の2社は横ばいから微減を見込む。上期はEC需要の低迷が継続し、下期以降は徐々に回復に向かうものの、年度全体では〝ゼロ成長〟にとどまる見通しだ。
(2023年5月16日号)


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